公募のつらみを思い出してさめざめと泣く
前回、話せなかった本命の愚痴。
こっちですよ、今のつらみのメインは。
そもそも、今回のカクヨムコンテスト5に無理矢理参加したのは何の為だったかというと、わたくしが公募メインで受賞を狙っているワナビだからですよ。
はい、ワナビという言葉はご存知ですね。
ご存知ない方の為に一応説明しておくと、英語のwanna beつまり、I want to beから来ていて、何かになりたい人の事を言います。
もともとは今から50年ほど前に生まれた言葉だそうで、白人なのにネイティブ・アメリカンになりたがり、彼らのライフスタイルを真似していた若者を指していたそうです。
最近のウェブ界隈では単純に、ラノベ作家になりたい人を指すっぽいですね。
漫画家とか一般小説作家を目指している人はあまり言われません。
この創作のつらみ取って出し、没がないのでこういう説明をいくらでも入れていいの、気楽でいいな!
斉藤は小説にも、こういう前提知識共有を目的とした説明を入れがちなところがあり、話の興を削ぐので気づいたら消す、なるべく入れないよう気をつけるなどの対策を取っていて、結構な量の文章が没になってゆきます。
ね、今もカクヨムコンに参加した理由の話からここまで脱線してしまった。
こういうのは当然、小説の場合は没。
(それでも最終的には何故か結構残ってたりする)
没って分かってるんだから書かなきゃいいのに、と思われるかも知れませんが、ついつい書いてしまう。
こういうところで出てしまうオタク気質。
知ってる話を、聞かれてもないのに長々話してしまうやつの文章版ですね。
人と話せないし、話せても主導権を握れないので、実際に話す際にはこういうことは起こらず、文章でのみ爆発する厄介なたちです。
閑話休題。
で、わたくしやっぱウェブからの拾い上げではなくて、公募で結果を出したいという野望があるわけです。
しかし、公募勢のつらいところなんだけど、狙っている賞が一年に一回しかやらなかったりする。
挑戦可能な回数が限られてるんですよね。
カクヨムコンも年に一回。
今回のカクヨムコンに間に合わなかったら、次に挑戦できるのは来年。
だからどうしても、例え残り20日を切ってからでも参戦したかったんですよね。
で、まぁ、結果惨敗したわけですが。
となると、せっかく書いた桃源水滸伝をどこに出せばいいのやら。
というところで悩んでいるわけです。
公募。
つらいですよね、公募。
カクヨムコンは読者選考があるだけまだマシで、読者選考で足切りされるので半年も待たずにダメならすぐ分かる。
他の公募は一次選考の発表に半年ぐらいかかり、その間作品を拘束されるわけで。
その間別の作品書いてろよ、というのは仰る通りなんですが、どうしても気が気でないので集中できなかったりはします。
(それでも書くけどね)
それで半年以上待ってダメだと分かって、さらに半年ぐらい経つと気前のいいところだと評価シートなるものをくれるところがある。
そこに書かれてるのってまぁ、大体は今回はご縁がありませんでしたという内容のバリエーションですよ。
あんまり悪く書いて、レーベルに反感をもってツイッターでネガキャンでもされたら困るんでしょう。
丁寧にここがどう、ここはこうしたら、と書いてはくれる(ところもある)
でも、そこを直せば作品が良くなるというもんでもなく。
大体、落ちた作品ってコンセプトの時点で他と比べて弱い場合が多いので、生半可な手直しじゃどうにもならないんですよね。
だけど、ワナビは一縷の希望を捨てきれず、直しては他の公募か次回の募集に手直しした作品を応募する。
たまに、某賞で一次落ちだった作品でしたが、他の章に出してみたところ受賞しました! という事があるので、希望を捨てきれないんですね。
下読みさんなんかは多分何度も同じ作品を読まされていると思います。
たまに、下読みさんが「同じ作品送ってきたら読まずに落選ボックスに入れる」とか言って炎上してますよね。
出版社的には、たとえそれが本心だとしても、そんな事言ったらワナビの恨み買うのは分かっているから、建前なのか「同じ作品でも手直しされているかも知れないからまっさらな気持ちで読めと指導している」とか声明を出したりしてます。
で、次の作品の結果が出るのが半年後。
時間だけが無為に過ぎていく。
無駄に歳だけを重ねていく。
今の、なろうの隆盛による拾い上げ文化、ウェブで小説を読む文化の隆盛って、そういう点で見るとすごく書き手にとってありがたい状況ですよ。
公募と違って半年と言わず、投稿したらすぐ読者の反応が分かる。
読者の反応が鈍ければ書き直すことが出来るし、投稿してポイントがつかなかったら、削除して新しい作品を出したっていい。
(あんまりやると、読者に見限られますが)
トライ&エラーで今の読者層にウケる最適な形を模索できる。
書き手としての地力はかなりつくと思います。
公募に何年もトライするよりは。
でも、受賞がしたいんだよなぁ~~~
ウェブ小説の、読者にウケる展開に全振りな感じというか、最適化されすぎてて無駄がない感じ、怖くないですか?
読む分にはお気楽に読めていいんですけど、いざ書くとなるとあの、ちょっとでもウケの弱い展開を書いたら読者が離れていくんじゃないかというプレッシャーめちゃくちゃ怖いです。
ウェブ小説はとにかく、つまらない回があったらそこで読者はサイトを閉じて二度と戻って来ないという点で、紙の小説よりシビアなところがありますよね。
紙の小説は、買ってしまったからにはとりあえず最後まで読もうかと思ってもらえる率が高く、中だるみしてても読んでもらえたりして、多少緩い。
ずっと公募でやってきていた感覚が沁みついているせいか、絶対にどこかで、ここら辺はちょっと箸休め、みたいな中だるみが生じてしまう。
ウェブの戦いがつらい。
【読んで応援!】
『桃源水滸伝』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893542939
ところで、カクヨムコンと違って他の公募はほとんどの場合、完結している事が前提なわけですけど、桃源水滸伝は現在の時点で十万文字でまだ完結が見えない状態です。
直近の、カクヨムからも応募できる賞だとビーンズ大賞があるわけですが、十五万文字以内で完結、が応募条件です。
あと五万文字で完結するのか……?
と言ったら、どうも微妙な感じ。
いやぁ、微妙っていうかおそらく無理。
あと十万文字あっても、完結するか分からん。
だったら、どうせ十五万文字が無理なら、第三章(魂喰らいの章)を書き直したいんだよなぁ~。
あの賞は今後の展開に必要な情報を出しきろうとして色々詰め込んだ感じがあり、作者的には納得がいってないというか、気持ち良くないパートなんですよね。
お話としてまとまってないというか、溜め・ヒキ・カタルシスのバランスが悪いというか。
でも、あの章を気持ちの良い状態にしようとすると確実に長くなって十五万文字以内は絶望的になってしまう……
そうなると、桃源水滸伝を次に賞に出せるのは次回のカクヨムコンまで待つことになってしまうぞ……と思って躊躇しています。
いやまぁ、あの章を直さなくても十五万文字超えそうなんだが。
まずは最後まで書いてみてから悩めばいいし、それが建設的態度だというのは分かっているんだが。
一つの事が気にかかると、そこがずっと頭の片隅でアラート鳴らしている感じで気が気でなくなってしまうたちでして。
あちこち削って十五万文字以内に無理矢理収めて、三月末日〆切のビーンズに応募するか。
気持ちの良い長さまでフェルマータして年末の第六回カクヨムコンまで待つか。
でも、さすがに年末までは待ちたくないよ。
かといって、削るのもつらたん。
それが今のつらみ。
まだまだ愚痴りたい事はあるけど、今日は終わり。
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