小説書きは異常者の集まり

 お前が小説を書かなくても誰も困らない。お前も困らない。っていうフレーズ、書き始めてから何年かに一度見る。

 今まで三回ぐらい視界に流れてきた。


 言葉というのは漂流するもので、平成の世でバズったツイートが、令和になってまた漂ってきたりする。

 それのおおもとが、5chがまだ2chという名前だった時代のコピペだったりする。

 そのさらにおおもとが、大昔の小説やアニメだったりする。


 お前が小説を書かなくても誰も困らない。お前も困らない。

 自分には小説しかないんだ、これしかないんだ、なんて自分で思い込んでいるだけで、いっぺんやめてみたら案外書かなくても生きていけるかもよ、みたいに、うまいことを言ったつもりなのだろうということは分かる。

 俺が初めて見たのは確か、一時期貪るように読んでた小説指南本でだった気がする。


 確かに困らないかもなぁ。

 と思っていっぺんやめてみたこともある。

 一年、二年、やめてみたこともある。


 何度もある。


 でもまた、

 どうせ今回もダメだろう。

 また今回もダメだった。

 そう思いながら書いている。



 こうやって書くと、

 やめるやめる詐欺か。

 宮崎駿か。

 と言われそうだけど、やめてる間は本気なんだよいつも。

 宮崎駿だって、毎回死ぬような思いして長編を作り上げ、もうあれほどのパワーは出てはくるまいと毎回思ってると思う。


 マジで、創作体力的な意味で、書き始めて五年以内に芽が出た人は非常な幸運(と、もちろん実力)の持ち主だと思う。

 書いたものがプラスに評価されて、それがモチベになって次が作れる。

 プラスの循環が回り始める。

 創作体力が落ちてくると、時間をかけても納得のいくものが作れず、それが低評価を受けてさらにモチベに深刻なダメージを負う。

 この時点までにファンなり嫁なり(成功してる作家、なぜかお嫁さんが強力な理解者にして支援者であることが多い。嫉妬的目線でいうと)を掴まえておかないと、創作コストがモチベ収入を上回り、どんどん先細っていく。



 ネットミームになっている無残様のセリフ。


「死んだ人間が生き返ることはないのだ。いつまでもそんな事にこだわっていないで、日銭を稼いで静かに暮らせば良いだろう。殆どの人間がそうしている。何故お前たちはそうしない? 理由はひとつ、鬼狩りは異常者の集まりだからだ」



 俺一人の事例をもって全小説書きを異常者扱いして申し訳ないが、小説書きは異常者。

 少なくとも受賞やデビューを目指している者は。


 受賞作なんて千作に一作。

 書籍化だって同じ。

 宝くじよりはマシだけど、三百円で買える宝くじと違って、代わりに数十時間、ものによっては数百時間かけた作品をベットする必要がある。

 それで報われる確率は大体0.1%かそこら。



 ギャンブルっすね。



 いつまでも0.1%にこだわっていないで、日銭を稼いで静かに暮らせば良いんですよ。

(もっとも、俺はその0.1%になると思って書き始めたし、多くのデビュー目指している小説書きはそうだというのも分かるから、別に止めるつもりはないが)




【読んで応援!】

『桃源水滸伝』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054893542939




 ドラゴンクエスト・ライバルズというデジタルカードゲームを嗜んでいるんだけど、毎回イライラ、時には壁を殴りながらもついまたやってしまう。


 おかしくないか。


 ゲームというのは楽しむためにするものであって、ストレスをためると分かっているのになぜ続けるのだろうか。俺は。


 ってところで考えが一度宇宙して、


 俺は、イライラするためにゲームをしているのでは?????

 となってしまい困惑している。


 だってだって、それ以前にハマっていたゲームもめちゃくちゃイライラしながらやっていた。

 エイジオブエンパイアズってやつ。

 思い通りに行かなくて敵国に蹂躙されてイライラして。

 大体戦績は五分と五分。

 勝ってもそれほど爽快! っていう感じではない。

 勝つときは大体最初のうちから大勢が決まっているから、勝つべくして勝つ、みたいな感じで勝つことが多く、

「まぁ、当然だよね」

 という感想にしかならない。


 じゃあ、一体何のためにやっているの!?!?!

 俺は……俺は……

 負けることや、イライラすることが楽しくてゲームをしているのか!?!?!?


(ここで宇宙猫の画像)



 これって狭義のギャンブル依存に近いのではないだろうか。

 勝ち負けでいうなら負けが込んでいる人のほうが多いに決まっている。(でないと胴元の儲けにならないから)

 それなのに、ギャンブル依存者は、たまに勝つその快楽が忘れられず、そしてまた負けるか負けないかのヒリヒリ感そのものに耽溺している。


 勝つのが好きな人はギャンブルをそもそもしないのかも知れない。

 俺は……もしかしたら負けるのが好きなのかも知れない。



 あーーーーーーーー、

 あーーーーー、

 思えば、自分のことをよく思っていない相手にばかり惚れてきたようなーーーー


 ちょっと話がズレていくが。

 自分のことをあまりよく思っていない相手に対すると、どうも悔しくてどうにか振り向かせないと自尊感情が揺らぐから、執着してしまう……といった形から始まる惚れが多かった気がする。

 いわゆる、『おもしれー女』型落恋であるが、イケメンではないのでネットに流れているネタ画像のようになる。


 ゲームでも、負けたらさっさと新しいデッキで戦った方が有意義だろうに、負けたデッキで何とか勝てないか模索してしまう。

 恋愛面でも、大体いつも脈のない相手に対する未練をずるずる引きずってしまっていたような気がする。


 幼児期に自尊感情を正しく育ててこなかっただの、承認欲求の底に穴が空いているだのの話になるとさらに話がズレていくが、負けること自体が許せず、受け入れられず、しかし負けに執着してしまうのって、ここら辺に根っこをはっているのかも知れない。


 ちなみに、逆に、自分に対して好意を抱いてくれている人とは距離を取ってしまう傾向がある。

 どう考えても、幸せになれない魂をしている。



 まだまだ愚痴りたい事はあるけど、今日は終わり。

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