第9話 戦慄の血
美穂は手を合わせ、歓喜の笑みで麻里奈に詰め寄った。
「でしょ?なら、一緒に復讐・・・しない?」
復讐の言葉を、口にした時の美穂の顔は、可憐さを失い、まるで呪われた人形の様だった。
麻里奈は一瞬、美穂の迫力に押された。
けれど、麻里奈は今一度、復讐の意味を考えた。
復讐…人を殺すと言う事。
死別町は霊子の為に、毎日生贄と称して殺しを行なっている。
正直こんな復讐に、適した場所はない。
麻里奈は、美穂に負けない程の威圧感を放っていた。
「わかった。1人でも仲間がいた方がやりやすい」
一瞬戸惑っていたが、笑顔で返した。
「うん。同盟成立」
そのまま質問した。
「それで、残りの2つは?」
「2つ目は、血を欲してた。」
麻里奈は、眉を寄せた。
「それ、1つ目と一緒でしょ?」
美穂は、首を大きく振るった。
「あれは、殺しの欲求。
霊子様は血を飲んだり、食べ物にかけたり、湯に浸かるのさえ血を使った。」
麻里奈は、気分が悪くなり口を押さえた。
苦しそうな表情のまま、続けて質問をした。
「3つ目は?」
美穂は、麻里奈の顔を覗き込んだ。
「大丈夫?」
「3つ目は?」
麻里奈は、気にするなと言う感じで同じ質問をした。
「人食」
麻里奈は、大方予想は、ついていた。
死別町の人は、平気で人を食べる。
「でも、何で人食?」
「霊子様は、昔から両親も人食をしてた。
だからかもしれないけど、人の肉は食べれた物じゃない。
けど、食べ続けると病み付きになるって」
2人が、話しているとカンカンカンと足音が聞こえる。
2人は、扉に視線を向けた。
扉が開く。
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