第8話 戦慄の血

話に夢中になっていると、目の前には屋上の入り口の扉の前に来ていた。


美穂は、扉を開け入っていく。


空は、今にも雨が降りそうな空。


まるで、今以上の事が起きる前触れの様だった。


美穂は、悪戯な子供の様な顔で言った。


「雨が降ると霊子様は、人を殺したくなるんだって、クラスの中にも、霊子様の様になりたい人がいるから誰か殺されるかもね!」


麻里奈は、美穂が敵かもしれないと疑心感を抱いた。


美穂は、笑顔で語り始めた。


「そんな怖い顔しないで、皆川さんの味方だから」


麻里奈は、返事をしなかった。


笑顔から真剣にな眼差しに変わった。


「13って言ったら、食いついて来たから話すけど、皆川さんの親か兄弟この町の人に殺されたでしょ?」


麻里奈は、理解した。


「足立さんも?」


「うん。」


「じゃあ、お父さんの知り合いだったの?」


「単刀直入に言うけど、皆川さんのお父さんの事は知らない。けど私はこの町に、復讐しに来た。」


麻里奈は、安堵感を覚えた。


復讐とはいえ、まともな人がいた事に嬉しさもあった。


それと同時に、胸騒ぎがした。


復讐は、失敗する。


「復讐!」


「皆川さんも、復讐でこの学校に、来たんじゃないの?」


「そう・・・だよ…私は仇を取りに来た。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る