第7話 戦慄の血

「何で血を、こんなペンキみたいに?」


麻里奈は、理解出来ず思わず問いただした。


「霊子様は、3つの欲求がある。」


麻里奈は頭が追い付かず、頭を押さえる様に、両手を当てた。


美穂は麻里奈の思い詰めた表情に気が付いていたが、そのまま話し続けた。


「まず1つ、殺しの欲求、まぁ、それは知ってるよね?」


朧気ながら、霊子について知ろうとした。


「はい。けど何でそんなに人を殺したいのかまでは分かりません。」


美穂は、麻里奈の知りたい事は、分かっていた。


「まず、霊子様はこの学校があった場所を、復讐でクラスメートを皆殺しにした。」


「それは、知ってます。」


先の話を聞きたくて待ちきれず、急かす様に返事をした。


「霊子様は、人と言う概念に囚われず生物に固執した。」


麻里奈は意味が分からず、首を少し傾げた。


「霊子様は、こんな言葉を死刑執行前に言った」


【何で人は理解しない? 動物や植物、時には虫を殺し食べて生きている。なのに何故、それを動物が人を殺し、食べたら動物は殺されるの?


世界は人の為にあると思ってる?汚らわしい、生物は皆平等、人も動物や神も喰らったら良い】


麻里奈は、少しだけ霊子を理解した。


確かに、人は何かを犠牲にし過ぎている。


自分達が生きる為に、他の生物を殺していい理由にはならない。


他の信者達は、霊子様に優しさを感じたから崇めてるのかな?


ふと、そんな事を思った。

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