第5話 戦慄の血

麻里奈に視線を向けたのは、先生だけではなく、足立美穂と言う生徒も見つめていた。


クラスメート達は、先生の言葉に返事はない。


だが1人1人、景戸の屍肉を皆がナイフで切り裂き、自分の食べる量を持って行った。


大抵の生徒は、足、腕、腹、などの部位を、持って行ったが、木村華と言う生徒は肝臓を、花澤翼と言う生徒は腸を、持って行った。


続いて神城桜と言う生徒は、顔の右半分側の皮膚に、火傷の様な傷跡があった。


彼女は脳を取り出し、口に咥えて席に戻った。


特に生田陽奈と言う生徒は、奇妙な事を口にした。


「私、肉はお口には合わなくて、目玉を2つ頂きますわ」


そう言い残し、目玉を、2つ素手で、引き抜き持って行った。


その姿を見て、麻里奈は理解した。


肉以外の部分を食べる人程、死死森霊子の強い信者であり強く危険な人物。


先生は教室を出て行く際も、麻里奈を見たが、そのまま出て行った。


休み時間に入ると、美穂が麻里奈に声をかけた。


麻里奈はこの学校の、異常な体質に背筋が裏寒かった。


休み時間に入ると、皆普通の学校の様に友達と笑顔で語り合っている。


「ねぇ、皆川麻里奈さん?だっけ?13って言えば分かる?」


麻里奈は、美穂の言葉に、驚いた。


この異様な学校いや死別町では、13の意味を持つ人物は、少なくとも異常者じゃない。

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