第3話 戦慄の血

死別死死森血木高等学校は、日本を震撼させた殺人鬼を、神と崇めた人達が入学する。


今年の入学した生徒は26人。


早朝の学校に向かう生徒達が、ちらほらいた。


皆、話している事は、死死森霊子に関する話。


「あぁ〜、霊子様美しい。」


周りに人がいるのに、恥ずかしげもなく叫ぶように言葉を放ったのは、今年入学の白川広。


見た目は少しも、清潔感のかけらもなく、体は戦車のように太く、背は大きい方ではない。


周りにいる生徒は、気にも止めていない。


広の横を背が高く、黒のロングに、前髪は揃えた様に綺麗に並んだ前髪、整った顔立ちにモデルばりのスタイル。


名前は近藤乙葉。


そんな綺麗な人が通り過ぎても、全く興味を示さない。


普通ならバレない程度に、ちら見するくらいだ。


だが広は見もしない。


当然だ。


何故なら、死死森霊子の美しさの前では、どんな美人も形無し。


現にその美しさに当てられ、444万人の信者がこの町にはいる。


中には霊子様に殺されたい。


霊子様に、我が子を捧げると言った事も、起きている。


学校の鐘がなった。


クラスには26人の生徒達が椅子に座り、先生を待っている。


予鈴がなると共に、先生が入って来た。


整った顔立ちに、漆黒のように輝いたロングヘアーに、片目を覆い隠すような髪型。


近寄りがたい雰囲気に、威圧感を放つ。


血を塗ったような、唇から声を漏らす。


「初めまして、私が担任の赤水芹香よ。


皆さんの知っている通り、死死森霊子様の為に作られた学校、その意味は分かるわよね?」


意味不振げに語る先生の言葉に、橘景戸と言う生徒が手を挙げた。


「先生、その意味って何ですか?」


疾風の如く、先生の元からナイフが、景戸の頭部に、投げ込まれ突き刺さった。


しかし、驚く生徒はいない。


ツカツカと、足音を立てながら、景戸の元へ歩いて行く。


壁に身を預けるように、景戸の体は寄っかかっていた。


景戸の前に立ち、頭部のナイフを鷲掴み皆を見ながら言い放った。


「こんな馬鹿は、他にいないわね?

全ては霊子様の為!」


すると静かに手を挙げた男子生徒。


唇に手を当てていかにも情緒不安定。


名前は上田海斗。


先生は少し間を置いて聞いた。


「どうぞ?」


すると海斗は口元が緩んだ。


「霊子様の為なら先生でも良いって事ですよね?」


すると先生まで口元が緩んだ。


「当然よ!楽しみにしてるわ。


大体は分かってるみたいね。」


それは先生を、殺すと言う意味。


質問が終わると同時に、ナイフを引き抜いた。


血飛沫が吹き出し、先生の顔が赤く染まった。


「じゃあ、今日の昼ご飯は皆で橘景戸君を、霊子様の様に食べましょう。


先生は心臓を頂くから、後はお好きに!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る