今日は船の実習

今日は船の実習だ。

「はいみなさーん、今日は海洋実習で、艦隊勤務の実習を行います。私、艦長のエイハブです。」

「よろしくお願いしまーっす」

「よろしくお願いしまーっす」

「よろしくお願いしまーっす」

「よろしくお願いしまーっす」


私、悪役令嬢は船に乗っても何もできずに沈められるという事態を招かないように、船の実習を申しこんだ。ヒロインちゃんは、私の付き添いみたいなもんである。船に興味があるらしい。

「それでは出発しましょう!出発シンコー!」

みんな艦長の真似をする

「しゅっぱつしんこー」

「艦長、なんで飛行船じゃないんですか?」

「飛行船は墜落の危険があります。また船べりから乗り出して落っこちると命がたすかりませんからね、それと高い!ですから、学園では、海上船舶の訓練をします」

船は波をけたてて内海から港をでて外海へ

「えーこの艦は鉄製で、前に2門、後ろに1門の旋回砲塔があります。

あ、希望者の方には後ほど実射訓練もありますから楽しみにしておいてくださいね」


学園の所有する船は昔の軍艦、鉄船で、前2後1の大砲を持つ。

この世界はライフリングを作る技術がないので、近年まで丸弾だった。最近は羽つきの弾を使うようになってる。


しばらく前までは、軍艦は、大砲の破壊力の弱さを弾数で補っていたために、側面に目一杯砲門をつけていたが、側面を見せた瞬間に撃破されるために最近は前後に旋回式、連発式の砲塔をつけ、有翼弾を使用する。


羽つきの弾は細長い弾でも弾道が安定するのと、前翼弾は射程距離が伸びるので最近の流行である。


学園の船は、学生がいろいろと壊しちゃうので、その部分を改修すると、船体は古いけどエンジンや砲塔など、壊れやすい部分は最新式になってしまってる。

古い部品を残したりするよりも、新しいのにさくっと変えたほうがお金がかからないからだ。


学園の船は、お金がないので、丸弾を使う。学生の勉強のために高価な有翼弾を使うことはちょっとできない。


学生は舵を取るの、見張り、エンジンの操作を交代で実習する。


海に浮かぶ船はスピードが出ないくせにメチャクチャ揺れるので、なれてないとまともに歩けない、そして、ゲロる。

「とーりかーじ!」

船の実習は、港を出て、沖の島までをぐるーっと一周。なれない人間だと、ゲロるだけで一日が終わる。


みんな、沖合で大砲を撃てるのが楽しみで船の実習を申し込むのであるが、ゲロってると見てるだけである。


夕方になると港に戻る。船の上でゲロったら、自分の責任で掃除をさせられる。




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