お貴族様の登校はお車で

王国貴族学園の朝は校門に数々の高級車がならび、まるで高級車の見本市のようである。

それでも比較的低級の貴族はバス、近いなら歩いて登校していた。

それは校門に近い停車場は高位の貴族でないと使えないために、低位の貴族は遠い停車場から歩いて校門にまでくるのだった。

「おはようございます、悪役令嬢様」

校門に近づくと一台の車から見た人影が、悪役令嬢が降りてくる

「あら、おはようヒロインさん」

「あ、あれは、王子様の車でしょうか」

「王宮から近いというのにランボルギーニになんて乗って、どうするのかしら」

「令嬢様のお車は?」

「ええ、私は背が高いので天井の高いクルマにしたいっていいましたの。

父の経営する自動車メーカーに作ってくれと頼むと、そんなことよりも取り寄せた方が早いという事になって。

床が低いのと段差が無いので重宝していますわ」

「ああ、それでベンツ・スプリンターにお乗りなんですね」

「まあ貴方、車にはお詳しいのですね」

「ええ、ランボルギーニがもともと農機具のメーカーであることを知ってる程度には」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る