第3話 さてこれから ⅰ

 まだ神様がどこかにいるかもしれないと思って辺りを探してみたものの、あたしの服を着た少年はどこにもいない。

 もし生きているなら、他にも色々もらいたかったのに……先立つものとか。


「……もう二度と拾い食いはしない」


「まぁ、やっちゃったことは仕方ないよ」


 探し回るあたし神様を食べてしまったハクローがしょげているのもかわいそうだったので、許してあげることにする。


「でも、この後どうしよう」


「サキはどうしてこんなところにいるんだ?」


 不思議そうにあたしに顔を寄せるハクロー。


 あ、ハクローは事情を知らないのかな。誰か悪い人に操られているってわけでもないし。


 大きな頭を抱いて耳の後ろをなでてやると、ハクローはくすぐったそうに身を震わせた。


「あの神様が言うには、ハクロー達が死んじゃって、この世界に転生――変性オルタードしてきて迷惑がかかってるって」


「ふむ」


 話しながらもハクローのモフモフをなでなでし続ける。


 あ、何か懐かしいな。あたしが小学生だった頃も、ハクローにこんな感じで話しかけてたっけ。


 目を閉じれば、思い浮かんでくる。こんな巨体じゃなかったハクローが。


「それがホントかどうかわからなかったけど、クソ親父の代わりにみんなを何とかしろって言われて連れて来られたってワケ」


「そうだったのか」


 ハクローが神妙にうなずいたのがわかる。

 あたしは相変わらずモフモフモフモフ……。


 そうそう。こんな感じで、手の中に頭が収まるような――って。

 

 目を開けるとそこには、白い子犬があたしの腕の中に抱かれていた。


「ちっちゃくなってる!?」

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