第7話

 グリッドには七つのタイプがある。食肉としている人を食うためあらゆる方法で独自進化した過程である。


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 人間の姿に変え、周りの者を欺き騙す<変態型>。近しい者の姿を真似て記憶も持つほど知能は高い。身体能力も高く、変身後は途端と弱くなるケースがある。

 人間がグリッドに襲われた際に、脳を食われ、心臓と一体化することで<変態型>となる。


 ナユタはおそらく、カナタと喧嘩して飛び去った後に食われたのだと思われる。


 一度でもグリッドになった者は、人を食わなければ生きられないし、食わないと長くて苦しく痛みが永遠と続くと言われている。


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 <通常型>は人間に感染する前のグリッド。通常種とも呼ばれている。姿かたちは多様で、人間のように二足歩行は少ない。真っ白い肌が特徴で服も来ていない。

 戦闘能力と知能は他のグリッドと比べると平均的。


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 そして、町で遭遇したのは<感染型>と呼ばれるきわめて危険なグリッド。

 死体に偽造することで獲物を引き寄せる。

 ある程度の獲物を集まったところで死体を爆破させ、散った肉片が粉末となって周囲にいた人々を襲う。


 感染力が高く、真っ向から戦うことは命を粗末にするほど恐ろしい敵。対処方法は百度以上のお湯につけるか、焼くかしか対処がない。

 一度でも感染してしまえば、グリッドとして目覚め、<捕食型>や<変態型>、<感染型>となって形状を変える。


 <捕食型>。待ち伏せしているタイプで獲物が近づくと大きな口で噛みつこうとする。<感染型>と異なり、こちらはその場から一切動かないうえ、人が通らない狭い道や暗い道などを好む。


 <捕食型>は死体などに憑りつくため、ダンジョン内で見かける死体は主にこのタイプだと判断したほうがいい。


 彼らは<音>で反応して攻撃する。そのため、遠距離から魔術を使うか、弓矢や銃などで遠くから攻撃すれば安全に倒すことができる。

 接近ではあまりお勧めできない。なぜなら、<捕食型>の口の中は鋼鉄並みに強度で、握力がある戦士であっても出られるかどうかは保証ができないほどの強敵だからだ。


***


「――以上が、ダンジョンで注意するべきグリッドたちの講座だ」


 しめくくりつつ水を飲む。


「あとの三つは?」


 話しの流れで七つのタイプと紹介しておきながら四つしか紹介していなかった。そのことに疑問を投げた。


「出会ってから説明する。今話しても混乱するだけだ」


 そう言って、さっさとベッドから起き上がった。

 ベッドの上にある布などを片付けつつ、今後のことについて話す。


「今から十五階ほど下がる。そこに小さな村があるから今日はそこで休もう」

「待って。今日…? もう少しゆっくりでも…」

「なに言ってやがる。二階層上で感染(パンデミック)が起きてんだぞ。さっさと逃げるべきだ」


 とことんと逃げる気だ。

 ナユタがカナタのところから逃げ出した理由も今となってはわかる気がしてくる。

 それでも私はカナタについていく。もう頼れる人はカナタしかいないからだ。

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