第23話
プロローグ23
軍務省某所にて
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中尉、これを見てくれ
陸軍からの報告書だ
いいんですか
これは陸軍さんの機密ですよね
しかも
私はただの憲兵ですよ
かまわない
憲兵隊上層部からの報告もここにある
憲兵隊治安情報だ 枢府から降りてきている 重要で危険であるという事で私の所まで来ている 憲兵隊からの情報だが、君は見ていないだろう 最新の情報になる
先にこの情報から目を通してほしい
これは ・・・・・ 憲兵隊本部情報部の ・・・・・
これはマズイですね
でも、未確認要素が多すぎます
そうなんだ
だから、君の所まで情報が降りてきていない
だが、この情報は絶対見過ごしてはいけない部類の物になる
故に君にこれを見せている
悪いが君の憲兵隊としての情報と個人的な情報を確認させてもらった
それで君は大丈夫と判断して、これを見せている
外務省からの治安情報も同じ傾向の情報が上がってきている
つまり、我が帝国の軍組織に工作員が浸透していると ・・・・・・
わが軍の機密保持能力は高い、しかし、そこに故座を掻いてはいけない
これらの情報をいろんな角度から分析したが、欺瞞情報の可能性が高い
だが、その情報は絶対に軽んじてはいけない
仮にその情報が『 真 』とするならば、狙われるのは我々の計画、
つまり、私が統括している計画だ
それに係わる人員が狙われる
そして、外務省上層部からの注意喚起が来ている
これだ
いいのですか
わたしは一介の憲兵中尉ですよ
外務省対外情報分析 ・・・・・
私のレベルで閲覧できる情報じゃないですね
かまわない
無論、憲兵隊本部中枢の許可を取り付けている
大丈夫だ
機密情報閲覧で君にどの組織も責任を問う事はない
ただ、君がこの情報を漏らすと責任を問われる
私はその心配はないと判断している
責任は私が取る
そして、内国治安局と植民地民政局との治安情報も注意喚起が上がってきている
これだ、目を通してくれ
無論、これも許可を取り付けている これも枢府からの情報になる
枢府からですか
これも一憲兵の身分で触れる情報じゃないですね
うーむ
まずいですね
どれもこれも注意喚起情報じゃないですか
例の騒乱ですか
騒乱は騒乱なんだが、分析の結果は少し違う
騒乱よりも資金稼ぎの為に金融機関が狙われる可能性が高い
つまり、
その資金が流通すればするほど、その資金は貪り食われる
だから
脱税による資金捻出 不法薬物の販売 あとは売春組織の売上
税に関しては大蔵省査察部がちゃんと眼を開いている
不法薬物の取り締まりは君たちの管轄だろう
まあ、売春に関しては今のところ警察と君たちが眼を見開いているからな
結局、金融機関への実力行使が一番手っ取り早い
その資金を元手に大規模な騒乱になるだろう
まず関係組織の調整が付いたら、金融機関の厳重厳戒が指示される予定になっている
そして密輸の監視が徹底される
特に細かい部分だ
銃器などがそのままで密輸されることは無いと考えている
では、部品の形ですか
そう、バラバラの形でね
そして 汎用というか、本邦内で調達できる部分はどこかで作られてしまう
中小企業に設計図を渡して緊急で作ってくれと、ある有名メーカーで使用される治具だと説明されて、機密を条件に最短納期でね 価格に色を付けるから
そんな注文を内密に出されたら、資金の困っている中小企業は大喜びで引き受ける
数もたった200とかならば、即作りますとなる
まさか銃器に使用される部品なんて、誰も思わない
不法銃器も浸透していると ・・・・・
そう
それを前提に治安対策されつつある
今般の治安当局の装備更新と重装備配備はその対応の現れになる
君の所にも装備更新の為の訓練が始まっているはずだ
特に我々の計画が漏れるのはマズイ
あとは君だ
だから君にも我々の計画に携わってもらう
志願を頼む
了解しました もちろん志願します
そこまで話が進んでいると、彼の警護だけじゃないですね
そう、憲兵隊情報部との連絡要員として、君が我々の計画に参加する事になる
まずは彼には欺瞞軍籍を与える
彼が任官するまで欺瞞属性としての軍籍になる
故に憲兵隊潜入捜査のノウハウを彼にたたみ込んでくれ
そして、彼の肉体的な訓練と銃器の訓練を頼む
体力充実からの防護体術と、基本的な武器操作、まあ、拳銃からだね
やっぱり欺瞞軍籍ですか
で計画そのものも欺瞞属性と・・・・・
もちろんそうなる
彼も機微な情報を扱うからね
申し訳ないが、今の段階で、君にも彼にも計画の全体像を教える訳にはいかない
それが彼の為にもなるし、君の為にもなる もちろんそれは計画の為にもね
判りました では、これから彼を一般司法警察基礎課程と同等の訓練でいいですか
そこは君に任す 体力と
これからよろしく頼む
私こそよろしくお願いします
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