第二話 優雅にランチでも食べながら

 狩猟ハンター組合を出てプライマウスの街を食堂を探しながら歩く。海の方に行ってみるかと海に向かって坂道を下って歩いていると白い壁の平屋の建物が見える。周囲がレンガ造りなので目立つね。中を覗いてみるとどうやらカフェぽい。向かいにはパブがある。昼からパブて感じじゃないのでカフェに入るか。


 ドアを開けて中に入る。テーブル席が一〇卓で三六席ぐらいの小さな店だ。店内は半分強の席は埋まっていて和気あいあいと談笑しながらランチを食べているお客さんがいるので繁盛していそうだ。


「いらっしゃい、お客さん一人かい?」

 気の良さそうなおばちゃん店員さんに聞かれたので「一人」と答える。

「昼メニューは『白身魚フライとポテト』銅貨十枚の一つしか無いけれど良いかい?」

「それでいいよ」

「じゃ、前払いね。こちらに座ってね」


 先に銅貨十枚を支払って窓際の席に案内されたので座る。先ほどエンゲルッシュの通貨を手に入れたので支払うことが出来たがフランチェスカ銅貨だと手数料がいるのか一枚多めだった。


 机や椅子は素朴な感じの木製で温もりがある。内装は白くて清潔な感じだ。創作ファンタジー世界は中世ヨーロッパ風が多いけれど、ここはどんな感じかさっぱりわからない。現代風にも見えるし古いヨーロッパ風にも見える。地球の知識で見たら駄目なのかもしれないな。ガラス窓も普及しているようなのでガラス製品は普通にあるようだ。


 しかし隣で戦争が起きているというのに前線から海を隔てた後方のこの国は長閑なものだ。そんな事を考えながら窓外を眺めていると料理が運ばれてきた。


「おまたせ、本日のランチ『白身魚フライとポテト』だよ」

「ありがとうございます」


 ワンプレートに白身魚フライとフライドポテトが乗っている。これは所謂フィッシュ・アンド・チップスという奴ではなかろうか?メインの料理の他にトーストされたパンと目玉焼きに煮豆が盛り付けてある。思ったよりボリュームが有るな。とりあえず食べてみるか。


「いただきます」


 つい、日本人的な習慣で言ってしまったが周囲の人々は会話に花を咲かせているようで幸い注目はされてないようだ。


 気を取り直して白身魚フライを食べてみる。肉厚の白身魚のフライだ。出来たて熱々で衣もサクサクで美味しい。フライドポテトは細切りのポテトを揚げたもので間違いなくフライドポテトだ。薄っすらと塩味だ。赤い汁で煮てある豆を食べてみる。味は薄いトマト味?まぁ、不味くはないが味的に物足りないかもしれない。


 パンと目玉焼きも特に外れた味ではないので全て完食した。変身していると身体陳謝がいいのか腹が減る。おっさんなので最近はあまり食べれなくなっているので加減が難しい。


「ごちそうさまです」

「また来てね〜」


 おばちゃんに元気よく送り出されたので気分良く海まで行ってみる。ちょうど歩いている道が堤防と繋がっている感じで海の中に緩やかなスロープとなって沈む感じで繋がっている。その辺のおじさんを捕まえて聞いてみたが今は満潮だが引き潮になると沈んでいる所が堤防兼桟橋になるようだ。なるほど上手く出来ている。


 海上を小さな船と海鳥が行き交いしているのを暫く眺めて満足したので来た道を戻ることにした。


 三時間ほど歩いて最初に接岸した入江に戻る。駆逐艦〈ギアリング〉を出現させると副長たちの出向を受けてから食堂に行ってコーラを飲んで一息つく。


「副長、あと何時間で建造が終わる?」

「あと二時間ほどで終わります」

「それまで艦長室で休んでいるから、何かあったら呼び出してくれ」

「アイ、キャプ」


 二時間後に副長に起こされて艦橋に出向く。

「では一度〈ギアリング〉を格納する」

「イエス、マム」

 ギアリングを格納するとそのまま砂浜に降り立つ。そして脳裏に浮かぶ建造済みリストから新たに建造した艦を選ぶ。


「駆逐艦〈フォレスト・シャーマン〉進水!」


 私の号令と共に新たな駆逐艦が亜空間から進水してくる。例によって横滑りで海面に落とされるので水際から退避済みだ。


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駆逐艦 USSフォレスト・シャーマン(DD-931)

満載排水量 4050トン

全長 127.4メートル

全幅 13.7メートル

ボイラー FW製ボイラー×4

主機 GE製蒸気タービン×2

出力 7万馬力

速力 32.5ノット


兵装

Mk.42 54口径5インチ単装速射砲×3基

Mk.33 50口径76ミリ連装速射砲×2基

Mk.9 爆雷投下軌条×1基

Mk.10 ヘッジホッグ×2基

Mk.25 533ミリ魚雷発射管×4門

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 今回建造したのが〈フォレスト・シャーマン級〉一番艦〈USSフォレスト・シャーマン〉だ。主砲は連装砲から単装砲に戻っているが口径長が伸びでいる。発射速度も五インチ三八砲が一分間に最大一五発に対して五インチ五四砲では一分間で四〇発と倍以上である。


 その他にも四〇ミリ機銃は七六ミリ連装速射砲と入れ替わって威力も強化されている。


 今回はもう一隻建造してあるので〈フォレスト・シャーマン〉は亜空間内のドックに一度待避させて次の艦を呼び出す。


「〈ありあけ〉進水!」


 次の艦が亜空間より横滑りで海に投げ入れられる。〈ありあけ〉型護衛艦ありあけだ。日本の護衛艦だけれど元は〈フレッチャー級〉なので進水式は同じスタイルだ。戦後の海上自衛隊に貸与された艦だな。


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護衛艦 ありあけ(DD-183)

満載排水量 2850トン

全長 115メートル

全幅 12.8メートル

ボイラー B&W製ボイラー×4

主機 GE製蒸気タービン×2

出力 6万馬力

速力 35ノット


兵装

Mk.30 38口径5インチ単装砲×4基

Mk.1 40ミリ機関砲×5基

Mk.9 爆雷投下軌条×2基

Mk.6 爆雷投射機×6基

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 性能は〈フレッチャー〉級なので〈フォレスト・シャーマン〉級と比べると見劣りするが、今後のことを考えると建造したことで面白い結果になるかもしれない。


 さてこの二隻のレベリングを完了させたらまた二隻建造してとりあえず六隻体制を目指そう。

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