表裏一体
フッとその目の奥に気がついて
足を踏み入れてそのままゆくと
強い風に吸い込まれてしまって
脳髄の宇宙に静かに出る
その先にあるのは
唯一という数字が並んで束になった
存在の核で
あなたのそれはやわらかくて
うれしくなる
奇遇の情緒
わたしはそれにほだされて
またほろほろと涙をこぼす
いろいろな映画が
二人のシーンが
ドラムの打音のように飛びかかる
確実なものではない
綱渡りのような危うさで
どうにか成り立つ個体に
辿り縋る因果に
努力と普遍を感じる
絶望を目近にしても
いまなお宇宙は輝いている
木の言葉が沈む砂の地面
しっかり足を突く
指も開かれるくらい、白い砂が盛る
大声で叫んでも外のあなたには届かない
わたしは糸を
抱きしめる
糸とその絡まりを
世界詩箱2 戸 琴子 @kinoko4kirai
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