夜雨

宇宙の仕組みは目をつむってみると簡単なものである

すべてがただあるだけで、みんなそこにいる

わたしが夜中に町を歩いて

雨の音を聞くのもべつにこれといった素晴らしい意味があるのではない


永久因果の美しい糸

絡まりあって

ふれあって

それらの音が鳴り重なる

そこに神秘があるのだろう


あの人もからだに美しい幸せをもっている

明かりが消えた部屋で眠るのだろう

それには対して疑問もない

ここに形があるだけの素晴らしい世界

幸せな世界


わたしのあなたの関係この中心

この糸の中心にわたしは言葉を感じる

さて ふるえている音よ

聞こえる声よ わたしは

いつでも一人であって、

地面を通して誰かといる

誰に見られてなくたって

わたしは雨に当たっている


価値など見出したくはない

そのありのままを感じたい

けれど美しいと感じた時には

やはりわたしは悲しくなる

とてもやりきれない、人間の業を

そこに置いてしまうのだ

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