雪中恐怖

雪の間に黒々と見えたことばの深淵

恐ろしい虚空

意味のない平仮名

概念をつけられる平仮名の形

足跡をつけて、犬が息ふき走り回る

そこにわたしは背筋を凍らす

配列された音の平行移動群

わたしの赤い鼻を横切る

その刹那、

口から洩れる意味、虚無への放擲

やりきれない無の並列、迷宮

わたしは太陽系のその奥の

無限の命の始まりと

その海系の中に輝く形のない恐怖

未知の底を流れる白い葉

犬の見えない世界、魚の泳ぐ世界

けれど夢見る秘めたる冒険

憧れの大地

無限の可能性の中に旗をさす

わたしのいた印

存在の肯定

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