桃色にふれてたい

桃色にふれてたい

春の風が綴る 雪を追い越して掃く

桃色にふれてたい

月の白に還る 濡れた布に消えてく


永劫 深い穴に潜る

生身をピンクの宇宙に溶かす

白い桃色にふれて眠りたい

遡るまでの静かな時間

脳が膨らむ

素数を数えて

沈みたい


黄泉より流れる生命の

業に甦る二律背反の

色とケガレ、自分の中……


善と悪に左右して

物語の川を流れている

溺れたままの命


掬い出して欲しい

孤独の淵から……


桃色にふれて眠るまで

心安らかに眠りたい

……最後の時間だから

桃色にふれてたい

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