悲劇詩歌は

雨あがり

水彩色のそらの夕暮れに

大空に

煙草のケブリが 苦く吸われて

一周いちじゅん過去の子どもの声が

光を追いこしてすぎてゆく


悲劇ひげき詩歌しいかの風の裏には

普遍の現象が現れる

あらゆる明滅する命の発する

黒とか白とかの美しい思念も

さかしく生きる社会の底で

音楽となり流れていく


悲劇詩歌は古風な思い

魚たちは銀色の目で

ゆっくりとした地球の周りを

ささ 我は とみながら

それと同時に生きている


識たる脳の光子のおかげで

わたしは風や肌のことを

考えてみたり、忘れたり

いずれもコンビニエンスストアの

前でケブリとたたづむ大学生

普段は太陽のあたらぬ場所で

悲しんでいる

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