水圧
蛇紋岩のような濃緑の 冷たい水がいちばんうえまで
そのような 暗い わたしのヘヤに シーラカンスが泳いでる。
床にはやらかい水草がたち よみかけた詩集がおちている
ラスティニヤックに淡いセピアの同調
わたしとは枝分かれした道の 反対側をゆくのだろう
乾いた電灯のしたを 時間を置いて歩いて去った
地下意識のつめたい流れ
骸骨のならぶ通り
ねころんで
空っぽの手紙を机に送れば
青白い電光のはじけるさき
眼球の 空間にはりついてそのカゲに
古代の香りがひそんでいる
シーラカンスは空気を見てる
シーラカンスは空気を見てる
なんて空虚な幻想だろう
ひんやりしていて心地いい
この大宇宙の片隅で
暗渠に気分をさらしている
遠くから聴こえる音に
まぶたを重く閉じてしまう
シーラカンスは舞ってみたけど
すぐに疲れて眠ったよ
わたしは座って空気を見てる
わたしは座って空気を見てる
つめたい水圧に胸を押しながら
水草の声に骨を白みながら
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