おい菩薩
線の集合の真ん中で
菩薩は白黒に微笑んだ
セリフのない漫画の一ページに
おれは希望を打ったのだ
凡百の思いを持った
そうでなくとも業にまみれたおれなんかが
到底着く事の叶わない場所
捨てたつもりの大きな道具を
気づくとまた手に持っている
それに慌ててまた捨てる
あの日の空気はとても良かった
肺に吸ってうまかった
黄色い脳で話していたんだ
……悩みの無いのは非常に羨ましいぞ
おい菩薩、どうやって其処へ行ったのだ
おれは何百段とある階段の
三段進んで
結果知ったことと云へば
それが間違った階段であったという事だけ
分かっちゃあいるがどうせ其処へは行けっこない
先は見えやしない
空と地面が調和を保つことも
空気が揺れずにあることも
生活に一刻もありはしないのに
同じ心地でなどいられやしない
違う階段を登って正解なのか
おい菩薩
お前は変わらずにいられるのか
どうやっているのだ
どうやって座っているのだ
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