千里炉
ライターの火がぽうと灯る
そすると花も灯る
火に照って、赤赤と、
「地獄の片隅なのに綺麗な」
「ええ 綺麗ね」
春に見る色
おだやかな祭りの音、路の匂い
「熟れた林檎の哲学だけれど
羽の人に聴いたら少し面白かったわ」
そのまま煙草に火を送した
命の入れ替え
頻繁に起こる
村の価値観、雪の世界観
充分に熱くなる珈琲の模様
甘いけぶりの味、血に染み渡る
「腹ごしらえはどうか」
「とてもよろしくってよ——
——それと、ハサミも持ちました」
用意のいい女だ……。
「……メメント・モリも放った……」
二十二時二十七分現在
初めて血の気配のこめる処へ
庭から出て、
ぱちぱちはらはら
ぱちぱちはらはら
期待が空中分解してしまう
「あなただけ浮いているわ」
「しようがない」
暗い暗い、そんな中。
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