第3話 仲直りの仕方
過去を振り返る3
彼と仲が良すぎてクラスの奴らからはカップルだとはやし立てられたこともある。
ただの友達なのに…
そんな彼とも喧嘩をしたことがある。
たしか11月の中旬だった。二日後には模試が控えていた日だった。僕のひいおばあちゃんが亡くなった。そのこともあって模試には出られないので自宅受験となった。
次の日、家族に学校にとりあえず行きな。と背中を押され家を出た。
学校に行き、何も無かったかの様に普通に授業を受け、模試の問題の入った封筒を受け取り、迎えを待つ間普通に放課後を過ごしていた。バイトは急遽休みを貰った。彼も部活を手短に切り上げられたらしく帰り際少し一緒になった。
家に帰って葬式の準備やらが必要かと思っていたがそこまで忙しくはなかった。
そして十時を回る頃には遊んでもいいんだよ?と言われ、日課にもなりつつあった彼との通話を始めた。
通話をしながら一緒にゲームをする。そして眠くなったら寝る。という日々を送っていた。
その日に限り彼はもう眠い。と通話を切りあげた。
しかし、彼は寝ていなかったみたいでメッセージを何度か送りあった。そして彼とメッセージのやり取りをし終えた後、僕はゲームをしていた。そして、ふとゲームのフレンド欄を見ると彼がまだゲームをしていた事を知る。
しかも彼は別の人とゲームをしていた。
それについて僕は彼に問うべきか考えた。自分はその程度だったのか。とも思った。
気になって仕方がなかった僕は彼に《無理してゲーム付き合わせてごめんね》とメッセージを入れた。すると彼からは《なんで?》と返ってきた。
素直に《別の人とやってるから、予定入ってたのに無理してやらせたかなって…》と送った。
すると《寝ようと思ったらやろって誘われた。》と返され
《そっか。二人で楽しんでね。》と送ると《しょぼーんとした絵文字》で返って来たので《気にしないで》と送る。
そのあとも少しメッセージのやり取りがあった。気にしなくて大丈夫、という僕と《でも拗ねたでしょ?》という彼。
拗ねた。と言うよりは残念だった気持ちが強かったし何か裏切られた気もした。
でも《もう大丈夫だから気にしないで》と送りその日のメッセージは終わった。
次の日、模試が終わったのだろう。彼が三時くらいに昨日のメッセージを見たのだろう。
《大丈夫ってどういう意味の大丈夫?もう友達じゃないからっていう意味の大丈夫?》と返ってきてそんなことこれっぽっちも思っていない。とすぐに通話をかけた。
僕は彼に1番の仲良しだ。と伝えられて嬉しかったこと、最近彼が別の人とゲームをやることが増えたから通話をかけていいのか分からなかったこと、学校で話しかけるのを少し躊躇ったこと、など言いたいことを言った。
そのあと彼と言葉を重ねるうちに和解することが出来た。
そして自宅受験が必要となった僕は模試を解く…。その間にメッセージが来ていた。
もちろん彼からだ、買い物に出かけたらしい彼はそこの店屋が恋人だらけだ。と僕に報告してきた。
これは彼なりの仲直りの証なんだろう。
ーこんなふうに言葉がすれ違っても話し合えば仲直りできたのだった
何度気持ちがすれ違ってもお互いの腹を割って話すことによってズレた考えも、歪んだ関係も、全て元通りに。
いや、元通り以上の仲になっていった。
ー話せば理解出来た。
話し合えば…
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