あとがき 設定と伏線と
えこさん作品ファンの皆さん、初めまして、麗羽です。
この度は今作、えこさんの「きみが明日も生きてくれますように。」のスピンオフ作品を最後までご覧いただきありがとうございました。
えこさんが描く、元々の作品が、ラブコメとは一線を画すものがあり、これをいかに正統派ラブコメにするかが今作の課題でした。
ただのラブコメではなく、ファンの皆様にも楽しんでいただけるよう、様々な設定の変更、伏線を各所に散りばめました。
各章の振り返りと共にご覧いただければ幸いです。
第1話 幼馴染
ここの部分は本編で語られていない部分なので、慎重に書かせていただきました。
ただでさえ私の初執筆。
慎重にならない方がおかしいです(笑)
さて、ここで明らかになるのは、
土屋君と七海の距離感と、2人の感性の違いです。
2人の距離感は、本編の土屋君の七海への執着具合を見ればわかると思いますが、かなり溺愛してるのかぁと思って書きました。
感性の違いに関しては、自己紹介で噛んでしまったことを、気にする七海と気にしない主人公。
ここで七海に、少しだけ劣等感を植え付けたくて書きました。
この劣等感が大きくなりすぎると本編みたいになると私は思っています。
あとは、本編番外編1話で、最後に季帆の点数を抜いて2位になった平井君。
本編第6話で、土屋君に話しかけてきた季帆の事を知っていた、矢野君を出しました。
気づいていただけたでしょうか?
第2話 亀裂
本当はこの話の前にイチャイチャする話を書こうとして、辞めました。
理由はこの2人の場合、確執的な部分を除去しない限り、1話の様なイチャイチャが続くものの、結局どちらかが離れた瞬間に、本編のような流れになると思ったからです。
これを書くと決めた段階で、全部で5話~6話でまとめようと決めました。
本編番外編2話で、七海が生徒会、土屋君が部活に入り、2人の心が離れた状態で「無理だろ」という土屋君の発言が原因で完全に袂を分かってしまったとあったので、2人の距離が離れていない状態で「無理だろ」という発言を出してみました。
感情を込めれば、ここまで本編と差が出るような発言になるとは、思いもよりませんでした。
あと「樋渡君は出しません」という所をえこさんのコメント欄で出していたのは、「樋渡君」というキャラクターを私が掴みきることができなかったのと、入って1か月前後では、七海が樋渡君に惚れるとは考えづらかったので除外としました。
なので七海が生徒会に入る理由は「かんちゃんの横に並べるように、立派になりたかった」という理由で、それを後に引き立てる為に「七海のノート」というアイテムが生まれました。
また、土屋君に七海との喧嘩を後悔させるため、本編にある七海の樋渡君紹介パートをアレンジして冒頭にくっつけましたが、予想以上に絶望的な感情が渦巻いてしまいまって、思わず執筆が止まりました。
コメントしてくださった皆さんも大体同じ反応だったので、怪我の功名だったのかもしれませんが(苦笑)
第3話 再会
本編の鍵となる人物、季帆ちゃんの登場回です。
ここに関しては、本編とあまり変わらない、平常運転な季帆ちゃんをご覧いただけたかと思います。
出会ったきっかけも本編と遜色なく出すことができたので、さくさくと執筆を進めることができました。
そして土屋君と季帆ちゃんの話場所に選んだ場所は、@Matenrowさんの「「きみが明日も生きてくれますように。」アナザーストーリー」の第1話で登場するカフェを採用させていただきました。
お気づきになりましたでしょうか?
第4話 原因
季帆ちゃんとの会話パートです。
本編の土屋君の根本的な部分を掘り起こす回ですが、土屋君がそれに気づくまでの誘導はまだマシだったのですが、そこに気づいた後、過去の七海のどこと繋げるかに苦労しました。
この話のおかげで、最終的には「柚島の約束」を軸に最後まで突っ走る流れとなりましたが、それでは何か物足りないと思い、「七海のノート」に「七海の本心」を書くことで、土屋君の行動への後悔、決意を固めるきっかけとしました。
季帆ちゃんの最後の言葉は、本編だと「仕返し」という形で色んな行動を取ってました季帆ちゃんが『ここまで相談に乗る理由をうまい具合に隠しながら、それでもお礼として成立する理由』を考えた結果、「受け取らなかった10000円」というキーワードに着目して使用させていただきました。
他にも「あの時のお水の代金です」なんていうのがあったのですが、カフェを奢ってる時点で越えちゃってるので、少し印象が薄くなるかと思い、辞めました。
第5話 懺悔
タイトルは「贖罪」でも良かったのですが、行動で示すわけではないので「懺悔」としました。
まず最初の季帆ちゃんの一人語りパート。
季帆ちゃんの当初の目的が「土屋君の救済とお礼」であり、彼女自身、今の土屋君に恋をしていたのかどうかはわからないけど、もしかしたら…といった書き方を表現してみました。
『これからは彼と交わることのない、別の道を歩んでいく。
そんなこと、あるはずないのに、何故かそんな錯覚すら覚えて、少しだけ、目頭が熱くなるのを感じた。』
という部分は、本編で結ばれた土屋君と季帆ちゃんだからこそ、この2人がこの段階で恋人にはならない可能性が高いという一種の決別の意味として、これを読んで下ささったファンの方に伝われば幸いです。
もしこの場で土屋君が季帆の好感度を上げれば。
季帆ちゃんが土屋君の背中を追いかけて走り出していれば。
土屋君から変わっていくもう1つの物語になったのかもしれません。
前回の「柚島の約束」構想の段階で、保健室での謝罪をセットにすれば、本編を知っている皆様にとって、もっと印象深い結果になるかなと思っていたので、七海の虚弱体質をうまく使わせていただきました。
作中屈指のイケメンかんちゃんの完成です(ぁ
ちなみにこの話の続きとして「『倒れた女子生徒会役員を、颯爽と現れた男子生徒が、お姫様抱っこをしながら保健室へ駆け抜けた。そして今ではその2人がお似合いのカップルになっていて、女子生徒の間では私もそんな恋をしてみたいという声が多数が上がっている』という噂が流れているらしい」なんて書きたかったのですが、最終話の流れを崩せなかったのでお蔵入りとなりました。
無念。
ここでは私が初めて作成した「此見先生」という保険の先生がいます。
名前など、細かい設定があったりするのですが、この先生に関しては別の機会で語らせてください。
最終話 約束
5話から続く「柚島の約束」
5話を公開した後、少しだけ間が空いてしまったのは、半分はこの話を土屋君視点で書いた後、全て削除して七海視点で書き直したから。という理由があります。
そしてもう半分は、第5話を完成させた段階で私が燃え尽きそうになっていたからです(ぁ
土屋君編で完成した後、一日中悩みに悩み、「みなちゃんとグラタン」を考えながら、七海視点への変更を決意しました。
これに関しては読んでいただいた皆さんならわかると思いますが、本編番外編2話~4話での差を比べていただきたかったのが主な理由です。
土屋君と樋渡君。
七海のお母さんの信頼度、七海の状態変化に気づけるかどうか、柚島へたどり着き、約束を思い出した七海の反応。
そして最後の言葉。
感想欄で「七海ちゃん」呼びに反応してくださり、執筆者としては感無量でした。
七海のお母さんが七海の遠出に対して、二つ返事でOKを出したのは、本編第17話での土屋君への信頼度の高さが描かれていたので、土屋君なら大丈夫だろうという内容を重視しました。
ちなみに土屋君が事前に挨拶しに行った。という内容でも読めるのは、土屋君視点で書いた時の名残です。
そちらでも違和感なく読んでいただけます。
そうなると「かんちゃんとまだ付き合っていないという報告をしていないけど、母親はすでに知っている」という裏描写がイメージできるようになり、七海のポンコツ具合が引き立ちます。
これも七海視点にした、怪我の功名とも言えるでしょう。
あとがき
このあとがきの後に、もう1本だけ話を持ってきたいと思っております。
これに関しては本編と関係のない話になると思いますので、あまり期待しないで待っていただけると助かります。
今回のえこさんのスピンオフを書かせていただくにあたり、本編のイメージを壊さず、書ききれるかどうか凄い不安な点が多かったですが、ひとまず執筆を終えれたことを自分の人生の経験として、今後も活用できたらなと思っております。
このあとがきを書いた後は、同じくえこさんの作品「あの日のぼくら」のスピンオフ作成に取り掛かるので、もう少しだけ執筆作業が続きます。
ショートショート3本立て予定なので、こちらもあまり期待しないでお待ちいただければ幸いです。
最後に改めて、今回のスピンオフの素晴らしい原作と、執筆の機会をくださったえこさん。
感想欄で応援いただきました、えこさん作品ファンの皆様。
そしてこんなあとがきを最後まで読んで下さりました皆様に、改めて御礼申し上げます。
今後ともコメント欄のお騒がせ人、麗羽を今後とも宜しくお願い致します。
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