第11話疲れ


メモリーの中の、古い記憶――閉ざされた部屋


飾られた人形の中に「秘密」を隠して


姉は、作られた人形に、「秘密」を隠した


そのなかには、おもいだしたくないこともある


――いや、思い出したくないからこそ、「記憶」の中に封じ込めるのだ


「、、、ふふ、やっとね」


白衣の男たちが、自らをじっと観察しているのを知っている

わかっている、

理解している、彼らが自分になんてことをしてくれたのか

覚えてる

「忘れたとでも思ったの、お馬鹿さん」

嘲るかのような笑みを、監視カメラに向けて、そっと微笑む


それはそれとして、「今日は、お雑煮の日だ」


鏡開きなので、もう一回夜にお雑煮をするのだ


「あ、さつきちゃん」

「あ、なっちゃん」

さつきちゃんは、姉の友達だ、「白衣の男」たちなんて何も知らない

ただの一般人


「ねえなっちゃん、今日はどこか行こうよ」

さつきちゃんは知らないーー自分がどれほど危険な位置にいるのか

それを理解しながら、さつきちゃんとかかわるのが、この少女だった


「今日はねーーー」


さつきも、結衣も、みっちゃんも、りっくんも、恭介も

みんなみんな友達だ

みんなみんな最低だーーなぜなら、何も知らないし何も知りたがらないから

対処することができない


(ま、それが「普通」なんだけどね)

むしろ、10歳でここまで「身の危険」を感じながら生きていかなくちゃいけない

自分の方が異常であると思う


「さつきーくりーなつー遊び木来たよーー」


いつのまにか、みっちゃの家に、集合くりと恭介まで


とりあえず、思うこと、あんたら暇なのか?


「鬼ごっこしようよ」恭介それひとんちまで来てるすることじゃない

「いいね」結衣も乗るな

「それやめようよ」

「ひとんちにきたんだから、ひとんちであそびましょ、」

「えーつまんない、「なら人生ゲーム」やろうぜ」


――人生ゲーム、、、それも手作りの

「へへーんちょっとスパイ風味にしてみた」


――現在進行形でスパイみたいなものというか「監視生活」のなっ

の顔が引きつる


「ちょっとこれやめない」

効くわけナッシングのみんなーーとりあえず進める



(死んで花実が咲くものか、ね、これ「赤子」がいったにしてはしぶすぎ)

そうは思うものの、

兄ちゃんに教わったらしい格言を誇らしげに、マス目にしてることは

ほっこりする、すごく


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「死んで花実が咲くものか」

ずーしん、と「白衣の男」どもの心臓に、響き渡る格言だ


何というか、意気消沈するということで

「--計画を発動する、「死者の軍隊」の試験だ、あの格言をちらつかせた

むかつくガキと兄貴とやらをこらしめようじゃないか」







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