第5話実家


ーー久しぶりだな、「団地」に来るのは


団地に来ること自体あまりない、何故なら自分は友達の家をそもそもあまり知らない人だったからだ


だから、あまり気にかけなかった


そんな中、知っている友人が入る


ーーそういえば、あいつとの付き合いは、小学校2年からになるんだっけ

ぼんやりする頭で考える


ああ、そうだーー2年の時、2の1のクラスで一緒になったんだっけ

都城はさ、「山田」三股(みまた)にたいしてさ、都会ってよくいわれるけど、そう都会でもない


ーー知り合い曰く「山田は昭和、都城はなんかいわくいいがたい感じ」だもんなぁ

それでさ、クラスも「3クラス」しかなくて


ーー転校生もあまりなかったし、それは「中学」の時も同じだよな、ほぼほぼ同じ中学だった

そりゃ、すこしは中学受験するやつもいたさ、でも、「俺とお前」は、そもそも

受験とか、無関係だった


ーー中学に入って、野球部に入るまで、そもそもあまりかかわらなかったよな

「お笑い」ではたまにからんだこともあったけど、さ、水上は一人で夜にきている


ーー「ダメ人間には家族がいる」し、あいつの家を知っているのは俺だけだという

自負がある


部屋に入る、ああ、さっぱりしている

ーー時計の針が「オルゴール」の音をならす


ああ、悲しい歌だーー、曲はエーデルワイス

そして、水上はその歌を口ずさむ

和訳の方を

歌を口ずさむーー、時計が12時5分を指す


「あった」


白い束だーー、ただ、この時は思ってなかったんだ

アレが何を意味するかを、、、どうしてエーデルワイスだったのかを

水上はその後後悔することになる、白い束の真実を


それが指し示す答えを


まるで、部屋がゆっくり揺れるような感覚がして、そっと手に取った


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