学校って楽しいですか?

@kakitai

第1話 入学式

「気をつけ!」

一ダッ

辺りに緊張感が走る。

「礼!」

一サッ サッ

「ただいまより第50回才限高校入学式を始める。 それでは校長先生お願いします。」

一今から俺『伊藤洋介』の楽しい学生生活が始まる!はずだった、、、、、

校長の話を聞くまでは。

「君たちがこの学校に来てくれたことはとても喜ばしいことだ。しかし、卒業出来るのはここにいる160人の半分。たった80人だけだ。」

洋介は何を言っているか分からなかった。

「君たちの学生生活は文字通りサバイバルだ!毎年成績下位40人はこの学校を辞めてもらう!」

洋介は開いた口が閉じないほど驚いた。

さらに、校長が畳み掛ける。

「入試の順位は全員に伝えてある。来年の始業式に

再びこの場所に集まれるように。特に!特待生5人!『伊藤,杉下,高井,柏木,山崎』!君達は必ず辞めてはいけない。必ずな。」

洋介の中で何か引っ掛かった。ただ、今はそれどころでは無かった。

「これで入学式を終了する。各自、各々の教室に行き、担任の指示を待つように、また、特待生5人はこの場に残るように。以上、解散!」

「はいっ!」

各々、緊張の面持ちで教室に向かっていった。

しばらくしてからだった。

「待たせてすまないなぁ」

校長だ。

「おっと、まだ名乗っていなかったな。私の名前は森 伸介だ。まぁ、呼び方は何でも構わん。」

「あんな話初めて聞いたんだけど!」

間髪入れずに女子の高い声が響く。

「まあまあ、柏木くん、落ち着きたまえ。」

校長が笑顔で言った。

「君たちには期待してるよ。君たちは過去1番の逸材だ。頑張ってくれた一」

校長が話終わろうとしていたときだった。

5人の後ろから怒号混じりの声が聞こえた。恐る恐る振り返ると、そこには見たことのない女子生徒が立っていた。

「初めまして、私は水野っていうの。この学校で生徒会長をしているの。」

「何だね、また君か。」

校長は呆れたような口調で言った。

「何だって!」

水野なの声からは冷静さが失われていた。

「まあまあ落ち着いてください。新入生の前ですよ。」

「何をべらべらと。どうせ私達みたいに騙そうとしているのか!」

水野がさらにヒートアップしているのが目に見えて分かった。

「はぁ、こざかしいな。」

校長が一言呟いた時だった。

一ズドンッ

水野が突然気を失って倒れた。

5人が駆け寄ったのを見て校長が淡々と言った。

「君たち、ここは私に任せて、君たちは教室に戻りたまえ。」

5人がためらっていると、

「早く行かないか!」

と、校長が急かした。

5人は何も言わずに会場を後にした。

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