第2話 進め玩具隊! 玩具対戦編(上)
今日は待ちに待った休日だ。
午前九時、僕、
緑色のカーテンを開けて、眩しい日差しを浴びる。
「今日もいい朝だ。よし、今日は家でゴロゴロするか」
そう言い、僕はテレビをつけた。
「特番、ミジンコのすべて」
「みなさんこんにちは、今日は理科の授業で習ったミジンコのすべてをお話します。
こちらが、ミジンコ研究家の香川さんです。
よろしくお願いします」
司会が礼をする。
「こちらこそよろしくお願いします」
香川さんも礼をする。
「でも、その前に」
「ニュースをお伝えします」
急にテレビの画面が馬鹿らしい番組から、まじめなニュース番組へと変わった。
「今、謎のぬいぐるみが街で暴走しています。危険ですので、みなさんは地方へ非難しましょう。ちなみにぬいぐるみはゆゆちゃん殺すとひたすら言ってるようです」
ブーー!
思わず僕はコーヒーを吹いてしまった。
だってあんなふざけた番組から急にものすごく真面目なニュースになったら普通びっくりするじゃん。それにニュースの内容なんかもっとびっくり!
「とりあえずライン見よー」
僕はスマホの画面を開いてラインを見る。
ラインの一番上に玩具隊のグループラインから通知がきていた。
そしてそこには、こんなことが書いてあった。
「みんな、今日は緊急出動だ!しっかり準備して墨田区の東京スカイツリー前に集まれ!」
「はい」
「はい」
「はい」
うわー。もうみんな既読してる。僕だけじゃん既読してないの。
僕は、はいと返信して、急いで出掛けた。
ちなみに僕はいつもバイクで行っている。
今日もバイクで墨田区まで向かっている。
ちなみにメーカーはハーレーだ。
僕は、何事もなく無事、東京スカイツリー前に来ることが出来た。
「こら、遅いぞ世界」
「すいません」
僕は隊長に謝った。
「そういや、光と一緒じゃないのか?」
「はい、僕はバイクで来たので」
「そうか…」
「もしかして光ってまだ…」
「うん、そういうことなんだ…」
おかしいなー。光はちゃんとライン既読していたはずなのに…。
一方そのころ光は、電車に乗っていた。
そして、グガガガ、グ、ガ~ガ~。圧倒的に乗り過ごしていた。
そして、光以外の玩具隊達は戦闘準備をし始めていた。
玩具は街のビルを次々に壊していった。
壊していく度に悲鳴が聞こえる。
「これ以上犠牲者を出すわけにはいかない。よし、出動だ!」
「ちょっと待ってください!」
後ろから、見知らぬ声が聞こえた。玩具隊のみんなは一斉に後ろを向いた。
「あのぬいぐるみ、私のなんです。私が捨てたぬいぐるみなんです」
・・・。
いきなりのことだったので、みんな脳の処理が間に合ってなかった。
「えっと…、つまりこれは、あなたが持ってたぬいぐるみだと」
「はい」
彼女はきっぱりと答えた。
「では、きっとあなたのぬいぐるみでは無く、あなたのぬいぐるみの心。いわゆる玩具が、ここまでぬいぐるみを大きくし、動かして、喋っているのでしょう。玩具というのは、人からの悲しみと憎しみで暴走します。
今回はきっと捨てられた悲しみからこういう風になったのでしょう」
隊長は自慢げにそう話した。
「うーん…。玩具というのはよく分かりませんが、まあ、自分が捨ててしまったことでこうなってしまったことは分かりました」
「そういやお名前は?」
「
そう言い、癒喩さんは何か決心したように僕、世界は感じた。
「私、ちょっとこの、玩具?にもうやめてと言ってきます。それと同時に捨てたことを謝りに行きます」
すると、隊長はおどおどしながら、
「あの玩具は危険です。一回私達に任せた方が…」
「いや、これは私が決めたことなんです。誰に何を言われようとも私の気持ちは変わりません」
この後、隊長は何も言わなかった。
きっと、彼女を信じたのだろう。
「では、行きます」
彼女は玩具の方へ歩き出した。
彼女はハァー!と息を吸い、
「きゅらじろうもうこんなこと止めて!!」
ときゅらじろうに訴えかけるように叫んだ。
「ゆゆちゃん」
かすかに声が聞こえた。
「きゅらじろう!!今までごめん、あんなことして」
「あんなこと…」
また、声がかすかに聞こえた。
その瞬間、玩具は猛烈な早さで癒喩さんを捕まえた。
「えっ…」
ブーン!
そして猛烈なスピードで玩具は癒喩さんを投げた。
そして、癒喩さんは遥か彼方へ飛んでしまった。
癒喩さんが飛ばされた後、辺りは静まり返っていた。
「あ、死んだなこれ」
ポロっと京先輩が口に出した。
「おい、京」
隊長が、ぼそりと言う。
「それに、何だよ!きゅらじろうって。ネーミングセンスの無さにくそワロタわ」
「おい、京!」
隊長が怒鳴った。
「何が、あ、死んだな、だ!まだ分からないじゃないか!それにあんなに、勇気を出して行動した人をバカにするとか最低だぞお前!もういい、今回はとりあえずこの玩具に倒すことに集中しろ、正直癒喩さんの安否は限りなく否に近いから今はもう手に負えん。さっさと倒すぞ、」
隊長は、完全に焦っている。それはみてわかった。こういう時こそやはり。
「隊長!一回冷静になりましょう」
「おぅ」
「とりあえず、癒喩さんのことに関しては外部にいる光に事情をラインで伝えて、後は任せましょう、そして僕たちは、あの玩具を倒すことに集中しましょう」
「おぅ、分かった、とりあえず光にラインで伝える」
「はい!」
「光ごめん、被害者が出たすぐその方の救助に回ってくれ」
癒喩さんが助かっていることは、ゼロに等しいが、やるしかない。
ピコン!
返事が返ってきた。
「被害者って、癒喩さんのことですか?
癒喩さんなら無事ですよ」
この返事を見たとき、僕たちは、光の言っている意味が分からなかった。
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