友人と遭った。

昔はガサツで未熟で汚く、彼に虐められたこともあった。

そんな彼が格好良く、清潔で丸く大人しくなっていた。


友人と会う度に皆の変わり具合に驚かされると同時に酷い寂しさを覚える。

変わらずガキのままなのは自分だけ。


このまま自分だけ過去を忘れられず、世界に、時間に取り残されて忘れ去られていくのではないか。


人々の頭上を疾風はやてのように飛び越していく翼を見ながら、ふとそんな事を思った。

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