第32話 1話の文字数
お約束の話題ですが、エッセイにおける1話の文字数はどのくらいがちょうどよいのか、という問題は常に頭にまとわりついてきます。雑感エッセイの肝はどれだけ元の感情や出来事を引き延ばせるかですからね。出来事を並べるだけで千文字、2千文字を超えて、かつ楽しく描けたらそれほど良いものはないですよ。但し、僕がそれをすると、その生態が何の脚色もなく晒されるだけでしょう。くそ面白くない文章の出来上がり。そんなの僕も読みたくない。
だから、僕は肉まんの底についているあれを更に薄く薄くスケスケになるほど伸ばして、その紙で少しくたびれた足の生えた鶴を折って、満足してゴミ箱に投げ捨てるのです。脚色こそが頼みの綱です。本当に言いたいことはほんのちょっとしかありません。
とはいっても第21話から2千文字越え続出、前回に至っては3千文字を超えてしまい、少し反省しました。ふくらみ過ぎだと。ベーキングパウダーじゃないものが混入したか。ぽわぽわとすぐに膨らむ人生への不満でも入ったかもしれません。
どれだけ膨らんだのか。確認がてらざっと見てみましょう。
第21話 自作ゴロ合わせの威力 ――普通に覚えた方が早いで
第22話 馬鹿な人 ――馬鹿なら任せろ
第23話 青い鳥はなにをつぶやく? ――Twitter始めました(はにかみ)
第24話 おっぱいがおっぱいである(以下略) ――おっぱい!おっぱい!
第25話 おっぱい星人が共存できるたっ(略) ――あなお尻や(感嘆)
第26話 「悲劇のヒロイン症候群」から(略) ――既婚者コンパはあかんやろ
第27話 幸せは文字の上に成る ――全身黒タイツじみちゃってー、まじちょーつら☆
第28話 無駄は幸せ ――無駄話以外書くことないんすよ
第29話 鼻くその地位向上委員会 ――可愛いですよね。鼻くそ。
第30話 歳を取る責任 ――僕の頭のねじ落ちてませんでしたか?
見事にスカスカですね。多くても「ちょーつら☆」で21文字です。記号込みです。一番言葉を尽くして言いたかったことでもこんなもんです。これらのおよそ130字を言いたいがために、2万文字を生み出しました。文字の多さのわりにAskew家のカルピス並みに味が薄い。万が一、その中の
分かるでしょうか。書きたいことを2千文字書けるなら良いんです。でも僕の場合は一言で終わってしまうし、こんな一言をエッセイとして公開していたら正気を疑うでしょう。だから僕は頑張って思考のかすを伸ばしに伸ばし、ぷくぷくと膨らむ不満や妄想を投入して嵩増しします。そして、正気を疑われます。
気軽に読むなら千文字前後が良いですね。そのくらいなら「ちょっと変な人だな」で終わります。2千文字になると「この人、大丈夫?」となり、3千文字を越えると「ちょっと何言ってるかわかんない」となります。
ここでは「大丈夫じゃないのは分かってる」という方が多いので安心していますが、皆さんが雑感エッセイを書かれるなら文字数には気を付けて下さいね。中身がないのに引き延ばしていくと元々が何だったのかも忘れますから。
短くとも、長くとも「変な人だな」と言われる人は一緒に頭のねじを探しに行きましょう。
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