第10話 決して意図的にHになった訳ではない
先日、たまきみさえさんのエッセイ(※1)にて何故か委員長に任命して頂きました。非常に重い責任を負う立場として、戦う前から負け戦とはいえ兜の緒を締め直した所でございます。
また、切り株ねむこさんのエッセイ(※2)でも、委員長をいじって頂けて、誇らしい気持ちです。コッペパンをつぶしたら容量が少なくなるのでカロリーオフですよね。給食係ねむこさんの優しさを感じました。
さて、今日のテーマは学級係と普通の人。皆さんは学生の時の係は何でしたか? 誰もが付けない特別な役でしたか?
僕は人目に晒されてはいけない人種だったので、目立つことは避けました。ただ先生受けは抜群で、中学の内申は全て5。推薦なんてされたらたまったものではないので、ひたすら「僕はクマムシ(微小な生物)」と唱えて影を薄くしていました。
そもそも思うんです。委員長という特別な役職は「普通の人がやるもんだ」と。
普通。
ありふれたものであること。
僕はありふれている人間にはなれませんでした。
友人は言います。
「普通に投げるだけやで(アホ強肩)」
「普通に勉強するだけやん(京大)」
「普通にホテル誘えばいいんだよ」
「普通に過ごしていたら彼女できるでしょ」
出来るかぁー!!
盛大に心の中で叫喚したつもりが、いずれも思わず声に出ました。そんな普通の人たちだからこそ、ああいう異色の役目が務まるのです。僕もそんな人に憧れて、普通であろうとしてきました。
小学校の音楽会ではピアニカ×4とリコーダー×2をそつなくこなしましたし、委員会も保健委員とか図書委員とか面倒くさくなさそうな、あ、間違えた、比較的普通(と思われる)委員会に入っていました。
でもね、結果がこれなんですよ。
堤防から飛び降りて舌を噛んだり、恋愛漫画で発奮して神戸から北海道までチャリで旅したり、ハエ除けスプレーを撒きながら己の排出物を穴に埋めたり、女子高生の娘がいるアメリカ人女性に迫られたり……。
どこまでいっても僕が求める普通は手に入りません。しなくてもいい体験ばかりを拾い集めています。どうしてだ。
普通に大学を出て、普通に有名企業に入り、普通に結婚して、普通に犬を飼い、普通に宝くじに当たり、普通に会社を辞め、普通にビーチでカクテルを飲み、普通に現地人に間違われ、普通に老衰して死んでいくつもりだったのに!
だからといって、僕は特別な人間でもないんですよ。
ただ「変わっている」だけで、「特別」なんかじゃあ、ない。
結果として、「キャーAskewさんのH!!」というセリフを甘んじて受け入れていますが、これは僕の意志ではない。勝手にこうなったんです。確かに女性の裸はみたいけれど、やむを得ず女風呂に入る方法を知りたいけれど、意気揚々とHentaiの枠にはまった訳ではありません。
僕は普通にはなれませんでした。
じゃあどうすればいいのか。
その答えを知るために、最後に大好きな歌詞を引用して終わりましょう。
―――――
普通にも当たり前にもなれなかった僕らは
せめて特別な人間になりたかった
特別な人間にもなれなかった僕らは
せめて認め合う人間が必要だった
――――― amazarashi 「月曜日」より(※3)
変態が増えれば、僕は救われる。
世界には変態が必要なのです。
僕がカクヨムで培ったものは、良い話風に与太話を締める方法だな。
※1 その雑紙、捨てないで!――たまきみさえさん
カクヨム組妄想。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891373807/episodes/1177354054894176478
※2 マシマロの上でパレードは続く――切り株ねむこさん
第108話 妄想カクヨム組のお話。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890906882/episodes/1177354054894204017
※3 amazarashi「月曜日」
https://www.youtube.com/watch?v=fodRoRdDSug
漫画「空が灰色だから」で有名な阿部共実さん原作のMVです。この曲とMVが出来た背景が素晴らしい。
阿部がamazarashiファンで、タイアップとして既存楽曲の使用許可を依頼→amazarashi(秋田ひろむ)が阿部の愛読者で、新曲「月曜日」を書き下ろし→楽曲にインスパイアされてMVの最後のシーンを阿部が新たに書き下ろし。
カクヨムみたいですね。この記事のように誰かが誰かに影響を受ける。美しいとも思います。
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