第5話 始まった 新戦争

その強力な放射線と電磁波は機器を狂わすのには十分だった。射程圏の電子機器はすべて電磁場の影響を受け通信不能、航行不能に陥り、飛び立っていた抗環

「これは、ひどい 敵でなくとも皆そう思うな・・・」


このダグス艦長の心の声はみな一応に思ってていた。さっきまで効いていた通信機器も動作せず、艦の航行も電子機器の異常を受けてブレーカーがほとんど落ち、航行不全に陥っていた。


「艦長、この距離で中性子爆弾が・・・」


「総員、ヨウ素剤投与、・・・まあ、早期投与すれば問題ない線量だが・・・・」


放射能と強力な衝撃波は巨大な波を生み出し、艦は大きく縦に揺れた。


「こちら、独立第86駆逐潜航隊、秘匿通信にて交信中、」


これは、最近配備になったばかりの超音波通信機の通信だけ生きていたようだ。比較的電磁場に強い設計思想の機器だけにこの線量の中性子線、ガンマ線では破壊されなかったようだ。


「こちらマッケンジーの艦長、ポート・ダクス。核を使うなんて」


「こんなもの始まりに過ぎない。我々は新型兵器を惜しまず投入する」



その後、通信は途切れ推進音もほぼなくなった。


「艦長、探知不能アンサーチ。86独立潜航隊をソナーロス。消えました」


「どうせ、また現れるさ 奴らはもっと新兵器と兵力を持っているらしい・・・・」




パタヤン島付近から友軍艦が来援したのは一日経った頃だった。海に浮かぶ巡洋艦・・・・・漂流はもしかしたらもっと長かったかもしれないが漂流物が周囲100kmに及び散乱していた。







   2年7カ月前・・・・・動乱期 UN軍壊滅まであと3日


 この戦いには終わりが見えていた。ラバレン連邦と新興勢力の共同軍は今までの国連軍を壊滅状態まで追い込もうとしていた。しかも、その戦いにおいて正体不明の攻撃が何度か発生しては原子力空母や原子力潜水艦を海の藻屑に変えていた。


これほど悲惨な戦いは初めてであった。あの第二次大戦をも凌ぐ凄惨で強力な侵攻をアジアを中心として起きていた。部隊が壊滅することは数知れず、このような状況に陥るなんて思いもしなかっただろう。


「マレーシアの維持はならず、クソ、戦線の維持が・・・」


その時だった。一筋の閃光が横切ったかと思うと敵戦車連隊が一瞬にして焼き払われた。


「・・・・・・・」


あまりの衝撃に誰もが無言になっていた。


無線が何かから支援を受け始めたらしいという一方を告げていたが、持っていたモバイル端末にもその影は見えていなかった。


IBASを身に着けていた米兵がその小さな町の通りを高速で通過する機工兵器の姿を見ていた。


「これは、どこの軍だ。敵ではないらしい・・・」





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狂気の海域 ハイド博士 @mazuki64

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