第67話 後始末と昇級(ステータス確認もあるよ。)

 さて、試験は合格で終わったわけだけど、練習場のこの死屍累々 (死んじゃいないよー。骨を折っただけだよー。)の様相を呈している。この後始末をしないとね。エミーリアさんのように【ヒール】が使える冒険者たちが【ヒール】をかけるためにと練習場に入ろうとしていたが、少し待ってもらった。


「試してみたいことがあるんです。」と言うと、ユリアさんからは、「これ以上の痛みはギルド長も他の方も必要ないと思いますけど。」と言われてしまった。まるで、僕が、殺人鬼か破壊魔か殺戮者さつりくしゃみたいな言い方で、ちょっとグサッと来ちゃったよ。


 僕が試したいのは【ヒール】を個人だけでなく、範囲を指定して、その範囲内の人たちを治癒することができるかどうかだ。とりあえずはやってみよう。う~ん範囲はこのくらいでいいかな。それでは、


「【エリアヒール】」


 すると、指定した範囲に透明な膜みたいなものが上から降ってきて、骨が折れた人たち1人1人を包み込んでいく。膜が消えたその後には、骨が治って、自分の足で立てているアンスガーさん達の姿があった。


 上手くいった。おかげでステータスが上がった。やったね。ちなみに今のステータスはこんな感じ、



名前:ガイウス(黒髪、黒目、160cm。)

種族:人族(半神)

性別:男(童貞www)(あんた、ガイウスのステータスに何表示してるのよ!!消     しなさい。)(痛い痛い!!フォルトゥナ。腕はその方向に曲がらな       あぁぁぁぁ・・・)

年齢:12(成人まであと3年よ。頑張りなさい。)

LV:50

称号:6級冒険者、ゴブリンキラー、オークキラー、ロックウルフキラー、(世界の管理者)

所属:シュタールヴィレ

経験値:32/100


体力:300(1500)

筋力:296(1480)

知力:302(1510)

敏捷:298(1490)

etc

・能力

・召喚能力 ・異空間収納(麻袋で偽装) ・見取り稽古 ・ステータス5倍 

・経験値10倍 ・識字 ・鑑定 ・魔力封入 ・不老不死 ・異種言語翻訳

・フォルトゥナの祝福 ・フォルトゥナの加護 ・格闘術Lv.42(210)

・剣術Lv.30(150) ・槍術Lv.30(150) ・弓術Lv.35(175) 

・防御術Lv.43(215) ・回避術Lv.30(150) 

・ヒールLv.30(150) 

・リペアLv.6(30) ・気配察知Lv.23(115) ・騎乗Lv.5(25) 

・射撃術Lv.3(15) ・火魔法Lv.9(45) ・水魔法Lv.8(40) 

・風魔法Lv.8(40) ・土魔法Lv.1(5) ・ライトLv.1(5)



 んー、なんか途中で変な文章が入っていたけど、気にしない。気にしちゃいけない。【能力】もだいぶ増えたなー。まだ、増えるんだろうか?まぁ、今後の楽しみってやつだね。さてと、骨折が治ってポカーンとしていたアンスガーさん達も復活したし、昇級の手続きをしないとね。ユリアさんお願いします。あれ、ユリアさんも固まってるや。とりあえず、査定カウンターに行って、報酬を貰おう。


 クリスティアーネ達と合流して、査定カウンターに向かい、デニスさんを呼ぶ。


「あれ?昇級試験じゃなかったのかな?」


「ええ、もう終わったので。」


「はあー、流石さすがだね。ガイウス君。もちろん、合格だろ?」


「はい、合格でした。」


「おめでとう。それなら、受付カウンターで昇級手続きをした方がいいんじゃないかな?あれ?ユリアさんもギルドマスターも戻ってきてないね。」


「ありがとうございます。なんか、お2人とも練習場で固まっていましたから置いてきました。それで、査定の方は・・・。」


「うん、終わっているよ。オークの肉はこの魔法袋に入っているから、君の魔法袋に移させてね。」


 ギルド用の魔法袋から偽装魔法袋に【収納】する。


「それと、金額の方なんだけど、“ロックウルフの討伐:数は最低5体。銀貨1枚。1体追加ごとに銅貨20枚”については金貨16枚銀貨8枚銅貨20枚だったよ。この金額と他のオークとかロックウルフリーダーとか素材とか、解体料金とか合わせて出した金額なんだけどいいかな?」


「いいですよ。」


「それでは、白金貨10枚ね。」


「へっ!?」


「いや、そんなに驚かなくても、オークロードとオークの上位種を含めてもあの量で、そこにロックウルフリーダーだろ?このくらい出さないと、どっちも2級クラスの魔物だからね。」


「それでは、ありがたく。クリスティアーネ、ローザさんとエミーリアさん。白金貨は1人2枚ずつで、残りの2枚はギルドに預けましょうか?」


「それで、いいわよ。2人もいいわよね。」


「それじゃあ、白金貨2枚はギルドに預けます。それと、クリスティアーネの預かり証を作ってほしいんです。」


「わかったよ。エレ。お願いできるかな。」デニスさんの呼びかけにエレさんがすぐ応じる。


「はいはい、お任せよ。それと、ガイウス君。ユリアさんとギルドマスター戻ってきたわよ。」


「ありがとうございます。受付カウンターに行きます。あ、あとデニスさん。僕の分は1枚は銀貨にしてもらっていいですか?」


うけたまわった。後ろのお嬢さん方は、白金貨がいいかな?それとも、金貨とかに替えるかい?」


 さて、そんなやり取りを始めたクリスティアーネ達を置いて、僕は受付カウンターに向かう。そこには、ユリアさんとアンスガーさんがいて、カウンターの上にはさらな5級冒険者を示す冒険者証が置いてあった。情報を移すので、6級の冒険者証をユリアさんに渡す。水晶にかざし、5級の冒険者証に6級の冒険者証から情報が文字として移っていく。


 そうして出来上がった新しい5級冒険者証を首からかける。「おめでとうございます。」とユリアさんが言ってくれたので、「ありがとうございます。」と返答する。アンスガーさんは、ユリアさんの後ろで腕を組みながら、何かを考えているようだ。そう思って見ていると、カッと目を見開き、


「ガイウス君。執務室まで来てもらおう。ユリアさん。」


「はい、ギルドマスター。ガイウス君。ギルドマスターの執務室へどうぞ。“シュタールヴィレ”の3人は私が連れてきますから。」


 そう言って、アンスガーさんは2階に、ユリアさんは査定カウンターへ向かう。あれ?僕、また何かやらかしちゃったかな?

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