第66話 昇級試験
僕は今、練習場にいます。そして、100m離れてアンスガーさんとアラムさんを中心とした沢山の青い顔をした冒険者約100名と対峙しています。どうしてこうなった!!
アンスガーさんが悪い。いきなり、「昇級試験をしよう」と言いだして、
「試験官として参加すれば勝敗に関係なく銅貨50枚、ガイウス君に勝てたら銀貨1枚。何名でもオーケー。試験時間は5分。5分以内にガイウス君が試験官全員を倒せなければガイウス君の負けだ。」
さらに、「私とアラムも参加する。」と言ったら、その話しを聞いた冒険者たちが一斉に受付カウンターに向かった。「人数があればさすがにいける。」とか「両手盾で最後まで耐えきる。」とか聞こえていたなぁ。
そんなことを思い出していると、審判役のユリアさんが練習場の真ん中に立った。
「それでは、これより6級冒険者ガイウスの5級冒険者への昇級試験を開始します。勝敗条件は、試験開始5分以内に試験官を全員倒せば試験合格となります。5分以内に倒せなければ試験失敗です。よろしいですか?」
練習場内にいる全員が頷く。ちなみにアントンさんとクリスティアーネ達3人は観覧ブースにいる。今回も賭けが行われているらしい。今回はさすがに僕が勝てないと思ったのか、僕に賭ける人は少ないようだ。声援でわかる。アントンさんとクリスティアーネ達3人は僕に賭けてくれたらしい。さて、勝つか。
「それでは、試験開始。」
ユリアさんの手が振り下ろされると同時に、風魔法で何人かを一気に吹き飛ばす。隊列が少し乱れる。すぐにその乱れたところに飛び込む。100mなんて一瞬で跳べるからね。ますは手近な冒険者の肩と膝の骨を木剣で折る。そして、最後に鳩尾に一撃。これを何人も繰り返す。
そんなこんなで1
試験開始から1分30秒が過ぎた。すでに立っているのは、僕とアンスガーさん、アラムさんの3人だけだ。100人以上いた冒険者は全員が地面に転がり、
アンスガーさんには、恐怖と痛みを味わってもらおう。僕は
そして、木剣を思いっきり投げつける。【魔力封入】と【風魔法】で強化された木剣がアンスガーさん目掛けて空気を切り裂き突き進む。アンスガーさんはそれを左手の盾を犠牲にして受け止めた。木剣は砕け、盾には深い傷がついた。
そして、僕はアンスガーさんの懐に入った。
観覧ブースからは「ヤベェ。」「参加しなくてよかった。」「あれが人のやることかよ。」とか聞こえたけど、僕が
練習場に立っているのは、僕と審判役のユリアさんしかいない。勝った。
「2分14秒で試験官の全滅を確認しました。よってガイウスは試験合格です。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます