第4話 ゲームに見る狂気
『ツクール×カクヨム ゲーム原案小説オーディション2022』の募集がもう少しで開始されるようですね。個人的にはYouTubeでゲーム実況を視聴するのが好きなので、奇抜な原案小説が読めたらいいなあ、どんな形でゲーム化するのかなあ、なんてちょっとわくわくしております。
さて、募集要項に下記の文章がありました。
「人気のゲームって、どれも"作者の狂気"を形にしたものなんです」
作者の狂気……。
狂気と聞いて私が真っ先に思い浮かんだのは、夢野久作の『ドグラ・マグラ』でした。(ゲームじゃないんかい)
私の読解力ではとてもじゃないけれどストーリー説明などできないのですが、なかなかにとち狂った興味深い作品です。こう、現実と幻の境界がドロドロに溶けていくような……。
ゲームと現実は違う、というのは誰でも知っていることですが、その境界に挑戦したゲームがあります。
ぱっと思いつくゲームが下記3点。
・『One Shot』
ゲームのキャラクターがプレイヤーに話しかけてきたり、パズルゲームの答えがゲーム外に存在していたり、一風変わったスタイル。猫とパンケーキと電球が素敵なゲームです。
・『NieR : Automata』
ゲームの範疇を超えた存在を認知して、運命を変えるべくロボットが立ち向かった相手は、スタッフロールたちで。スタッフロールに撃破されるたび、赤の他人のゲームデータを破壊して残機にする鬼畜スタイルがラストにくるゲームです。
・『UNDERTALE』
終始メタ発言を繰り返すキャラクターが複数いて、中でもキャラと名乗るキャラクターは、プレイヤーに挑むような口調で話しかけてきて、最終的にはゲームを乗っ取ってきます。
境界が壊れる恐怖って、考えてみたら不思議ですよね。
境界を越えようとする側は好奇心とか強い意志や目的、狂信的な執着などがあったりしますが、逆に安全圏にいたはずなのにそれが崩される側の感覚って、こう、ぞわぞわと……たとえ相手に悪意が無かったとしても、たとえそれが虚構であったとしても、怖い。
なのに、なぜかその感覚が、ちょっと癖になる……。
作者の狂気、というか、ゲームの主人公が純粋に狂気的だと感じたゲームで、ぱっと思いつくものが下記3点あります。
・『狂い月』
狂い満ちていた月が欠けた時、現れる真実が衝撃的。喪失していた記憶を最後の最後で取り戻し、綺麗なエンディングだったのが一瞬で覆されます。
『還願 - Devotion』
何度も発売中止になっているホラーゲーム。仕事や家庭を何とかしようと奮闘した末、宗教に狂ってしまった父親が悲しい。
『Goat Simulator』
売り上げ数ミリオン達成して、一番驚愕していたのは開発チームだったらしい。物理演算ゆるゆるで、バグまみれだったけれど手が付けられずそのまま発売したんだとか。上記2点とは方向性の違う狂気があります。
人気者の人生が欲しい、仕事でも家庭でも威厳と愛情に満ちた生活がしたい、ヤギ(?)になりきりたい……。狂気的ではあるものの、理解不能な行動や思想にハマっていく前段階にあった願いは、純粋なものだし、多かれ少なかれ、誰しもが持ち合わせているものなのではないでしょうか。
狂気にどこか惹きつけられてしまうのは、その狂気の中にある純粋な願いに、無意識に共感しているからなのかもしれませんね。
あーもう、私もいい加減なにか書きたいなぁ……。
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