第16話初スキルあざまるです!
「いやはや、お待たせ致しました! もう大丈夫ですので先を急ぎましょうぞ!」
「いやいや、お前大丈夫でもセルスは瀕死よ? 主にメンタルが」
「すみません、僕としてはてっきりルーナ様とセルスさんは恋仲なのではと思っていましたもので」
コイツが言ってた予想ってそれか。
つってもそりゃあ無理があるだろうよ。だって片や元人間の妖精、片や悠久の時を生きる女神よ? いくらなんでも無理っしょー。
まぁ嫌いじゃないんだよ? それに好きか嫌いで言えばもちろん好きよ?
でもね、俺の中で決めてんだわ。
神様は皆んなを平等に愛するわけで、1人が独占していいものじゃあないわけ。お分かり?
「ルーナ様は主ですよ? 失礼な事は言わない事」
「はい! 以後は気をつけます!」
フラれたわー。普通にフラれたよな、今。
なんだろう、地味に……いや、結構ショックがあるわ。
「しかしどうするの、ヴァルグ? 自分で言うのもなんだけど、貴方では私を運べないのでしょう? ここからは徒歩の方がいいのでわなくて?」
「問題ありません! 気合いと根性があれば乗り越えられぬ壁などありませぬゆえ!」
熱血だなー、意外とこうゆうとこあるよねヴァルグって。
でもな、実は俺1つ気になることがあんのよ。
「待てヴァルグ。もう少し休もう。そしてセルス、今の俺のスキルを確認したい」
「「ハッ!」」
堅いわ! 俺は殿様ですか?
まぁいい、それよか気になる事がある。もし俺の予想どおりなら、もう山神を探す必要はないと思う。
「それでは確認致しましょうか。【進化の系譜】の自分の種族名の下をご覧下さい」
「あー、やっぱコレがスキルか。さっきから気になってたんだよね」
「さすがのご慧眼です」
いちいち褒めるな! やりづらいわ! ……ご慧眼ってどうゆう意味?
とまぁ、それは置いといて。
俺のスキルの内訳を見てみよう。
ノーマルスキル
闇属性耐性
レアスキル
魔力感知、
レジェンドスキル
高速再生、精神干渉無効、
ゴッドスキル
万物創造、輪廻転生(4)
エンシェントスキル
ユニーク(オリジナル)スキル
結構あったな。でも多分だけど、どれも使えるんだろうね。
こうしてみると、俺は防御面が少し心配な気がする。物理防御みたいなスキルがない。それに耐性も闇属性だけだ。精神干渉は無効化されるみたいだけど、その他の属性にはまるで耐性がないらしい。
ある程度なら身体強化で防げるのかな? 多少なり疑問は残るけど、今気になっているのは1つだけ。
エンシェントスキル〈
この言葉は生前にもあった。いわゆる超感覚だ。レアスキルに〈感覚強化〉ってのがあったけど、それとは別モノ。
目に見えないモノを感じとったりする力で、予知夢なんかもシックスセンスの部類に入ると言われている。例えるなら、虫の知らせとか危険予知とかだな。
別々に発現してるって事は〈感覚強化〉の方は多分だけど五感が強化されるって事だと思う。
厨二病だった時代に、このての用語は存分に調べさせてもらったぜ! エンシェントスキルってのも十分に頷けるってもんさ。
そんな黒歴史はさておき、今はこのスキルが重要になってくる。
俺は山神を探し始めてから、勘で道を決めていた。
だけど、てきとうに決めたのに妙にしっくりくるというのかな、なぜかその道が正解である気しかしなかったのだ。
それでワンチャンそれらしいスキルあんじゃね? って思ったらドンピシャよ。
そして俺のシックスセンスは言ってんの、ここに山神がいるって。
「ここに山神様がいる⁈ そ、それは本当ですか?」
「うん、レアリー。俺のスキルが言ってんの。信じてみ?」
「もちろん信じますが……そのー、どこにおられますやら……」
確かに、辺りにあるのは鬱蒼とした密林だ。
捜索開始からかれこれ2時間くらいかな、ずっと同じような景色が続いていた。
いくら見回そうとも生物の気配はないし、それは俺も同感だった。
都合が良いようで申し訳ないが、ここでスキルを試してみよう!
ここで試すのは2つ。〈魔力感知〉と〈天眼〉だ。
使い方を聞いたわけではないけど、コレが自分のスキルだと自覚し、意識したら自然と使い方が頭に入ってきたんだよね。
入ってきた、と言うよりは前から知っている、って感じかな。
〈魔力感知〉は対象とした個人や指定範囲内のマナを感知するスキル。
長所は、たとえ隠れていたとしても関係ないところかな。見るのはマナの方だから、姿を隠しても意味がないと思う。
それと、マナの大小も分かるから大きい反応が近くにあるのであれば警戒を強められる。
短所は、距離間が上手く掴めないところかな。おおよその位置しか分からないから、一気に差を詰められる可能性もある。
なので! その短所を補うべく、もう1つのスキル〈天眼〉と併用するのです!
〈天眼〉は、自分の位置を俯瞰的に見る事ができるスキル。ようは鳥目線で見れるって事ね。
この2つを合わせる事で、より詳細に位置関係を見極める事ができるというわけだ。
今は、まだ2つとも半径100メートルくらいが限度だけど、使用者の熟練度によって範囲を広くできるので今後の成長次第なスキルだと思う。
では、早速使って見ましょう!
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