第37話浮気?
予定通りの時間に、議員だというお客様はやってきた。
応対は主に遥さんがやってくれて、私は主に紅茶を出したり、ドアの開閉をしたり、たまにされる簡単な質問に答えるくらいだった。
そして、豹変した遥さんに戸惑っている間にも、つつがなくお客様の案内は終わって・・・。
「いや〜、ハッハッハ。今日は世話になりましたなぁっ!」
「ご案内しただけで、何のおもてなしもできず申し訳ありませんわ。」
「いやいや!美しいお嬢様方に案内して頂けただけで十分に役得というものですな。」
「ふふ、お上手なんですから♪」
「え、えっと・・・。」
「そちらの麗しいお嬢様、一条さんといいましたかな。貴女の淹れてくださった紅茶は絶品でしたぞ。馳走になりましたな!」
「あ、ありがとうございます。お粗末様です。」
今はもう、お帰りになる議員さんを校門までお見送りにきているところなんだけど。
「ハッハッハ!流石はお嬢様学校ですな。しっかりした生徒がそろっていらっしゃる。」
「お褒めに預かり恐縮ですわ♪」
幸いにも、議員さんに与えた学園の印象は悪くないようだった。
「皆本家のお嬢様も。今日はお会いできて大変嬉しい!何卒、お父様にもよろしくお伝え願いますぞ。ああ、もちろん天童理事長にも!」
「ええ、承りました。どうぞ、道中お気を付けてお帰り下さいませ。」
「うむ、それでは失敬。やはり視察は女子校に限りますなっ!」
・・・最後の一言さえなければ、こちらからの印象も良好なままだったんだけどな。
議員さんは、車に乗り込んでドアをパタンと閉めた。
「くす、ごきげんよう。先生のご活躍を期待しておりますわね♪」
「うむ、この街の未来はお任せ下され!ではっ!」
車が走り出してからも、完全に見えなくなるまで私達はその場で見送っていた。
・・・・で、そこから10秒程静止して。
「あ〜、やっと終わったぁ〜・・・。」
いきなり気の抜けた声を聞いてぎょっとした。
「何なのですあの人・・・声大きいし、ちょっとウザいし、いつか粛清してやりたいのです。」
「止めてくださいっ!そんなあからさまな裏表は見たくありません!」
「はーい・・・とゆうか、お姉様も、女の子に結構幻想持ってるのです?」
「・・・男の子ですので。」
「まぁいいけど・・・でも、ホントに疲れたのです〜〜!」
・・・何だか、また一瞬でいつもの遥さんに戻っていた。
「んにゃ?お姉様?」
私が困惑してるのに気づいたのか、きょとんと首を傾げる遥さん。
「んー、これってもしかして・・・。」
「な、なんでしょう?」
「くすっ♪こっちのわたくしの方がお好みですか?」
「・・・えっと。」
「どうなんですの?お姉様ぁ〜?」
ちょっとからかうように尋ねてくる。
「その・・・あの、清楚な遥さんも素敵だなってっ!」
「惚れ直しちゃいましたか?」
「は、はいっ!」
たぶん真っ赤になりながら私は頷いた。
もちろん、それは遥さんの新たな魅力についての賞賛のつもりだったんだけど・・・。
「浮気なのですっ!」
「えっ?」
「ないと思います。いつものはるかにはもう飽きたってことなのです?」
「えっ、えぇぇぇっ!?そんなつもりは決して!」
「でも、偽物のはるかの方が好きなんだよね?」
「偽物って・・・。」
「さっきまでのはるかは別の人なの!はるかじゃないから見惚れてたお姉様は浮気なのです。」
そんな無茶な・・・とは思う。
でも、言われてみれば・・・。
元々遥さんは清楚なふりをするのを嫌がっていた。
望まない自分を褒められても、嬉しくはないだろう。
だから、私は慌てて謝った。けれど。
「だ〜めっ!簡単には許さないのです!」
「そんな・・・何でもしますからっ!」
「ほほう?何でも?お姉様そう言ったのです?ククク・・・!」
「あわわっ。」
「裏切り者にはお仕置きが必要であるな。さぁ、どうしてくれようか?クフフ。」
・・・どうしてこうなった。
「あの、お手柔らかに・・・。」
「にひっ♪反省してるならおとなしくお仕置きを受けるのですっ。」
でも、それで『浮気』を許してもらえるのなら。
・・・観念するしかないのだった。
そして帰宅後ーー
「では、始めるとしよう。まずはパンツを脱ぐのです!」
「何故ですかっ!?」
「アソコ丸出しは屈辱であろう?我が受けた屈辱を返さねばならぬのでな。」
「何か、他のことで勘弁していただくわけには・・・。」
「だ〜めっ♪エッチなお仕置きしてあげるのですっ!」
遥さんの部屋に連れ込まれ、屈辱的な命令を受けていた。
でも、何だかこんなふうに楽しそうに命令されたら従いたくなってしまう。
それに・・・まぁアレだ・・・。
さっき、エッチなお仕置きって言ってらしたから・・・ほんのちょっとだけ期待しちゃってたり?
「ぬ、脱ぎました・・・よ?」
「うむ、よかろう・・・てゆうか、お姉様?」
「は、はい、なんでしょう?」
「ムクムクって、大きくなってるのです。」
「ご、ごめんなさい・・・っ!」
「一体、何を期待しているのです?んん?」
「だって、遥さんがエッチなことしてくれるって・・・。」
「我は『お仕置き』と言ったはずだが?」
「・・・つまり?」
「気持ちよくするとは言ってないのです。アソコを好き放題弄ばれるのはさぞや恐怖であろう?」
「それは・・・。」
ーーちょっと、顔から血の気が引くのを自覚する。
痛いのとかは・・・やだなぁ。
でも、遥さんだし、そこまで酷いことはしないよね?信じて大丈夫だよね?
「おおっと、もう逃げられはせぬぞ?我が魔力により、お姉様の身体は我が支配したのですっ!」
「そ、そうなんですか?」
「うむ、そうなのです。」
「・・・。うっ、何だこれはっ!身体が動かない・・・!」
急に出てきた設定に合わせて、身体を硬直させる。
「むふー♪素晴らしいのですお姉様♪ククク、それでは我の命令に従ってもらおう。そこのベッドに行くのですっ!」
「ああー、身体が勝手にぃ〜〜!」
遥さんの指示に従い、私は下半身裸のままベッドに向かうのだった。
「さぁ、お姉様のココを我の好きにさせてもらおう。」
そして、その後は私の体を遥さんが一方的に弄ぶ展開になるのだった・・・。
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