最終話 これから

私以上の毒親はたくさんいるだろうし、私の経験なんて甘いものだと思う。

そこが公開するにあたり、一番勇気のいったことかもしれない。


「たかがそれくらいのことで?」「甘いよ」「恵まれてるやん」「ノートにでも書いとけよ」って。


そう感じられたかたには、本当に申し訳ないです。



母によってつけられた傷。

歩み寄れなくてどんどん離れていった心の距離。


それを癒してくれ、埋めてくれているのが娘だ。


ただただかわいい。

この子がいてくれたら、それだけで幸せ。


その気持ちが母にもあるのかな。

私に対してでなく、娘(孫)に対して。


娘には、本当に大切に思ってくれてるのが伝わってくる。


そしたらもし。


娘がいなかったら?


私の大切なものを、一生大切に思ってもらえることはなかった?


そうなっていたら、気持ちがスッキリすることはなかった?


エッセイを書くにあたり、自分の過去と気持ちに向き合い、最後になにが見えるか興味本意で書き始めた。


実際はたいしたエピソードも書けず、語彙力もなく、自己満足の恥ずかしい日記みたいになってしまったが、ここで私が見えたのは、ひとつでもいいから認めてほしかったんだということ、そしてそれがたまたま娘になってしまったということ、それだけで十分と思えたことだった。


娘がどれだけ心の穴を埋めてくれているか。

それが一番の気付き。


どれだけ嘆いても、私の母はたったひとり。

残り少ない母の人生。

そのたったひとりの母のことを、今は大切にしていきたい。


つたない文章を、ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。


空 月子。

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