第6話 やっぱり守ってもらえない

お楽しみ会はまだまだ続く。


うちのグループは、誰一人とサンドイッチを作らない。

きっと、みんな作ったことがなかったのだろう。


しかたなくパンに具を挟んでいった。


あってるのかどうかは分からなかったが、何もしないとずっとそのままだから意を決して動き始めた。


ほとんどの具を挟み終えたとき、誰かが言った。


「これ、パンにバター塗ってへんやん」


そう。私はただパンに野菜を挟んだだけ。

バターも、マヨネーズも塗っていなかった。


お料理なんてしたことがなかったから、味付けをするという概念がなかった。


そして、濡れた野菜の水滴がパンを湿らしてしまうのを回避する方法も知らなかった。


私たち以外のグループでは、もう食べ始めてる子もいる。


誰かが私が作ったサンドイッチを分解してパンにバターを塗りはじめた。


「これ誰が作ったん?」っていう少しイライラした感じで。



母はもちろん黙ったままだった。



私はとても情けなくて、哀れで、悲しくて、恥ずかしくて、逃げ出したい気分だった。




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