第4話 相談するのを諦めた日 2
母から答えがなかったあの日から数日が過ぎた。
世間ではいじめが原因で自殺してしまった学生の事が話題になっており、クラスでもアンケートが配られた。
そのアンケートは先生が作成したもので、生徒ではなく、両親が答えるもの。
私は母に渡した。
記入してもらったあと、戻ってきたアンケートを見ると。
「あなたの子供はいじめられていますか?」
の問いに、
「はい」
の部分に丸がつけられていた。
私は、恥ずかしくて、情けなくて、カッとなった。
いじめられてること相談したとき、何も言ってくれなかったよね?
「私、いじめられてないよ!」と言ってみた。
そしたら、母からの言葉は…
「前にいじめられてるって言ってたやん」
え…
ちゃんと聞こえてたんだよね?
娘がいじめられてるって、SOSを出してるのにどうして何も言ってくれなかったの?
お母さんなのに?って。
たった一度だけ勇気を出して相談したのだけれど。
その一度だけで、二度と母には相談を持ちかけることはなかった。
進路のことも。
結婚、妊娠、マイホーム。
すべて事後報告だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます