第3話 相談するのを諦めた日 1

今まで生きてきた中で、1度だけ母に相談を持ちかけたことがある。


小学校6年生の時。


小さい頃、どこにでもある仲良しグループの仲間外れみたいなやつの標的になった。


死ぬほど辛くはなかったし、ニュースに出てくるような、いじめで自殺した、みたいな壮絶な内容では無かったけれど、学校と家がすべてのその時期は、小さな事でも苦しくて、しんどくて、助けてほしかった。


でも、いじめられてるなんて恥ずかしいし、心配かけたくなくて、誰にも言わずに毎日学校に行った。


当時、いじめで自殺した学生の事がニュースで話題になっており、たまたま母と二人でいたときにそのニュースが流れたので勇気を出して言ってみた。


「私もいじめられてるねん」


小さな希望があった。


お母さんに言ったら何かアドバイスをくれるんじゃないかなぁって。

解決しなくても、何か言ってほしかった。

助けてほしかった。


少しでもラクになれるんじゃないか、って勇気を出して伝えた。




母は黙った。





そのまま、答えはなかった。

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