第2話 炎風翼のガザムトラ
「ハーゼは殺されたか」
巨大な部屋の中、玉座に扮した椅子に座る者がいる。
「はい、最近ダストに来た正規ギルド支部の者の手で殺されました」
巨大な肉体に大きなクチバシと大翼。
「正規ギルドか、名前は?」
腕の爪は剣のように鋭い。
「ダントフ=ネフルです」
そのすべては真っ赤でまるで炎のよう。
「......そうか、ならば遅かれ早かれここに来るはず」
その赤い瞳は全てを見ていると錯覚するほどに大きい。
「では、襲いますか?」
その声は全てを威圧する。
「ふふふ、こちらに来てもらおう。俺と奴には少なからず因縁があるのだから」
この者、闇ギルド【楽炎会】の玉座に座る者。
【アースラ】ダスト支部
「あぁよく寝た」
「おはようです。マタン君は今日おうちに返しますよね?」
「いや、まだだめだ」
「なんでです?」
「ハーゼは闇ギルド【楽炎会】の一人だった、だから動きだすことになる」
俺はハーゼを倒すことよりも倒した後を危惧していた、【楽炎会】を野放しにすれば俺たちはともかく、マタンの安全は確保できない。だから
「じゃあどうするんです?」
「先手必勝、相手を速攻でつぶす」
マタンが依頼人であるとはバレてはいないかもだが万が一もある。
「マタンは起きてるか」
「2階で休んでますよ、今呼んできまーす」
とりあえず、ハーゼと一緒に――
バリーンッ!という音が鳴り響き。
「助けてェェ!」
ッ!
2階に急いで駆け上がると窓から鳥人の男が侵入してきていた。
メリーは戦っていたがマタンを人質に取られていて、本領を発揮できていない。
「マスター!この鳥ちょこまかとうざい!」
「ヒヒヒヒッ!ダントフどの?【楽炎会】ギルドマスターよりお呼び出しです」
「......場所は?」
「ここより東にある屋敷です、この少年はその時にお返ししましょう」
鳥人はマタンを連れ去ってしまった。
「どちらにせよ潰す気でいたんだ」
「久しぶりに闇ギルド潰しますか?」
「あぁ、ギルドクラッシャー・ダントフが復活だな」
俺とメリーは【炎楽会】の屋敷へ向かう。
【炎楽会】
大きな2階建ての建物で、中央から2階へ進め、2階の奥には大翼の鳥人でありギルドマスターのガザムトラが玉座に座っている。
「ふふふ怖いか?」
玉座に座りながら、近くに座る少女・マタンを見る
「うっ」
「もし来なければ、わかるな?」
マタンを見ながら笑っていると。
ズガーンッ!
激しい爆発が屋敷中に鳴り響いた。
「ギルド【アースラ】ダスト支部メリー様の御通りよ!邪魔する奴は皆殺しにするからねー!」
メリーは魔法の爪で立ちはばかるものをなぎ倒しながら進んでいく。
メリーは手あたり次第に破壊しまくり、1階にいる敵は数えるほどだけになった、あとは逃げたか殺されたか、メリーに関心があるのは立ち向かってくる敵だけだ。
「ふーん、上に一人周り三人ね」
上にいるのはマタンをさらっていった鳥人、地上の内一人は剣士で後の二人は魔術師。
「ヒヒヒヒッ、ダントフの連れかやっかいですね」
魔術師が炎の玉を飛ばすとメリーは避けるがそこにすかさず鳥人の爪をメリーの腹に目掛けて突っ込もうとする。
「なめんな!」
その爪を拳で受け止めて、足で鳥人を吹き飛ばすと次は剣士が襲い掛かる、メリーは剣士の攻撃を横に避けると首を捕まえそのまま魔術師の方へ走り抜ける。
「いくよぉ!」
「ッ!」
魔術師は魔法を放つが剣士を盾に防がれる、メリーはそのまま走り寄ると魔術師の一人に剣士を投げつけ、もう一人魔術師の首を爪で切り裂いた。
「さぁ次は」
メリーは剣士と魔術師の方に走り抜けようとするが、鳥人が上空から突撃してくると、メリーは鳥人の頭を踏みつけて剣士と魔術師の方に爪を立てながら突っ込む。
「おのれっ!」
飛び掛かってくるメリーに対して魔術師は炎の魔術を放つが、メリーは炎を切り裂きながら、魔術師の体を切り裂くと近くにいた剣士を蹴り飛ばした。
「ヒヒヒヒッ死ねぇ」
鳥人はメリーの隙を突いて攻撃を行うが、
メリーは鳥人の攻撃をしゃがみ回避すると後ろから体を爪で貫いた。
「ヒッヒヒ......ヒ......まさか負け......るとは」
「ようし終わり!後はマスターがどうしてるか......かな」
マリーが激闘をしていたころ
「......」
ガザムトラは玉座に目を瞑りながら座っていると。
「ダントフ......来たか」
いつのまにかダントフは立っていた。
「相変わらずだな、メリーをおとりにして首領の首を狙う、上等手段だ」
「マタンは......無事のようだな」
ガザムトラのとなりにはマタンが座っていた。
「あっダントフさん!すみませんご迷惑かけて......」
「気にするなよ、どうせこいつとはいつか戦うことになってたんだ」
「役目は終わったな、じゃあ――」
ガザムトラは立ち上がると大きな爪がマタンに向かうが――
「きゃっ!」
ダントフは目にもみえぬ速さで近づき、ガザムトラの攻撃を、マタンを抱き込みかわす。
「ダントフ相変わらず甘いな」
「人質がいないと俺とは戦えないのか?」
ダントフの台詞など気にも留めずにガザムトラは、クチバシから獄炎弾を飛ばしてくる。ダントフはマタンを抱きながら、炎を避ける。
「すみません、僕が足を引っ張って」
「こんな鳥相手だ、これでちょうどいいハンデなんだよ」
「言うな、ではこれは?」
ガザムトラは大きくクチバシを開くと思いきり炎のブレスを吐き出す、
ダントフはマタンを抱きながら、ブレスを避けるが、ブレスは避けた先も追いかけてくるため走り続ける。
「くっ調子にのるな」
ダントフはマタンを抱きながら片手で腰にして仕込んでいた短剣をガザムトラの目玉へ向けて投げつける。しかしガザムトラはその短剣を寸前のところで避けると大翼を広げてダントフに飛び掛かる。
「そこの娘を守りながら戦えるのか?」
「ダントフさん僕のことは......」
「大丈夫だ」
ダントフは突撃をギリギリの所で避けると、切ろうとするが、ガザムトラはまたもや上空に向かう。その時
「マスター!マタンちゃんを!」
メリーが来た、ダントフはメリーを抱きかかえながらメリーの所に向かうが、ガザントラはそうはさせまいと獄炎弾を放つ。
「マタンを投げる!メリー受け取れぇ!」
「え!」
ダントフはメリーにマタンを投げると迫りくる獄炎弾を一刀両断にする。
「やるではないか」
「そりゃどうも、メリー逃げろ!」
「わかった、マスターまたギルドで!」
「ありがとうございました」
メリーはマタンを保護するため急いでここから離れる。
こうしてこの部屋にはダントフとガザムトラのみとなった。
「ふぅ、なぁダントフ覚えてるか?」
「何がだ」
ダントフは剣を抜き、いつ来てもいいように構える。
「俺たちが同じ闇ギルドに居たころの事覚えてるか?」
「先代マスターの頃ならな」
ガザムトラは翼を広げて、ダントフを見つめる。
「先代は甘かった、身内に殺されるなんてな」
「先代は素晴らしかったよ、俺みたいな人間を居させてくれた」
最初に動いたのはガザムトラだった、炎のブレスを吐くと、ダントフは横に走りながら近づいて、相手の隙を伺う。
「うらぁ!」
ブレスを吐くのをやめガザムトラは翼大きく羽ばたき、風の刃を起こすがダントフは剣を舞うように扱い防ぐ。
「後任のギルドマスターを殺したよなお前は」
「アイツは屑だった」
ダントフは短刀と剣と二刀流にして、ガザムトラに近づくがまたもや風の刃を巻き起こす。
「もう見切っている!」
風の刃を剣と短刀と最小限の動きで防ぎ切り、ガザムトラに近づく。
ダントフが近づくとガザムトラは大翼で上空に飛び、上空から獄炎弾を連続で放つ。
「オラオラオラ!」
ダントフは降り注ぐ炎を横に避けたり剣で切るなどするが、剣を届かせることはできない。
「
ガザムトラの大翼がメラメラと燃えだし、上空から炎と風が混ざった炎風の刃を大翼より放つ。
「クッ!」
炎風の刃は舞のように避けても炎の熱波にやられてしまう、ダントフは徐々に劣勢になっていく。
「メリーを先に逃がしたのは失敗だったな」
「マタンを一人で行かせる訳にはいかないだろうがっ!」
ガザムトラの炎風の刃はどんどん威力も速度も上がっていく、このまま避けきるのは不可能と判断したダントフは賭けにでる。
「(これを外せばガザムトラへの対抗手段は無くなる!)」
「っ?なんだ」
ダントフはガザムトラから放たれてくる炎風の刃を捨て身の特攻で受けきり、ガザムトラの近く走ると――
短剣を投げる、それは本来なら容易く避けられるはずだったが
炎風の刃はガザムトラの視界を見えにくくしていた。
「(さらにだ!)」
短剣を投げた刹那、自身の剣も投げつける。
ガザムトラはダントフが何かをする気であることに気づき、動こうとするが――
――既に遅い。
ザッ!
「ガッ!?」
短剣が首のあたりに刺さり――
グザッ!
「ッ!?」
剣はガザムトラの心臓を貫いた。
飛んでいたアザムトラはそのまま落ちていく。
ドォーンッ!
激しい轟音と共に土煙が舞い上がると、ダントフは急いでガザムトラの元に向かう。剣の回収をしなければいけないからだ。
「ゴホゴホ、まだ煙が待っているが......」
倒れているガザムトラの元に来てスッと剣を抜くと――
「まだだあああぁぁぁ!」
「なっ!」
激しい雄たけびと共にガザムトラは立ち上がる。首に刺さった短剣を抜くと刃ごと握り潰した。
「俺はまだ死なねぇ!妹を蘇らせる方法も見つかってねぇ!」
「ガザムトラ......」
ダントフは仲間だった頃、ガザムトラは死者を蘇らせる方法を探すために闇ギルドに入ったと話していた事を思い出した。
「当たり前だ、さぁまだ勝負はついてねぇ!」
ガザムトラは構える、首と心臓の傷を負っておりもはや空を飛ぶことはできない。
ダントフは剣を持ち構える、短剣は無く先ほどの戦いで体力も消耗している。
「おらぁ!」
「っ!」
ガザムトラが先制で動く、巨大な爪でダントフの喉元を狙い引っかくが、ダントフはしゃがんで避け、腹を剣で横に切り裂きながら移動しガザムトラの横に行く。
「グッ!」
そして体を返すとそのまま片翼を思いきりたたき切る。
「ギャァァアァ!」
ガザムトラは翼の片方を切られると、ダントフに炎のブレスを吐くが、ダントフは背後に張り付くように攻撃を避けながら移動する。
「くらえ!」
ガザムトラの背後に行くともう一つの翼切り落とそうとするが、横に避けられてしまう。
「グググおのれ......」
ガザムトラは獄炎弾をダントフに向けて連続で放つが、ダントフは寸前の所で回避するか剣で切り裂きながら突っ込む。
ダントフはガザムトラの猛攻を猛スピードで避けて剣で防ぎながら進み続ける。
そして両者がお互い目の前に来た瞬間――
ダントフは剣を上に掲げる、ガザムトラは獄炎弾を放つ準備をする――
両者攻撃を溜める時間は刹那――
一瞬の差であった、ダントフは剣を思いきり下げ――
シュンッ!
ガザムトラの顔面を――
真っ二つに断ち切った。
「はぁ......」
ダントフはガザムトラを見て大きくため息をすると。
「さっさと帰ろうか......」
死体を背にしてこの場を後にした。
ギルド【アースラ】ダスト支部 夕方
「マスター!さすがに遅すぎですよ、心配しすぎて私の中の魔竜が暴れるところでした」
「本気で洒落にならないからやめろ」
正直今日は早く寝たいところだがまだやることはある。
「あの、ダントフさんにメリーさんほんとにありがとうございました」
「あぁ、最初の依頼にしては骨のある依頼だったな!」
「やっぱり、報酬を......」
マタンは小包を出そうとする、本当だったら報酬として渡すはずだったお金だろう。
「今はお金よりも町の住人にギルドを信用させる方が大事だ、だからマタンにはとりあえず噂話程度でもいいから辻斬りのハーゼを倒せる実力者がいるって噂してほしい」
「マスター?【炎楽会】の件は噂にしなくていいんですか?」
「あんなので有名になったら、他の闇ギルドに何されるかわからん、今回のは結果的になっただけだ」
「わかりました......知人には今回の事お話しておきます、父の仇をとってくれて本当にありがとうございました」
マタンは頭を深々とさげる、......久々に胸を張れる仕事をした気がした。
「マタンはこれから家に帰るんだろ?」
「はい、まぁ家には誰もいませんが」
「マタンちゃん、暇してる時にはここに遊びにきてもいいよ?」
「えっ?いいんですか!?」
「もちろん!ねっ?マスター?」
メリーとマタンはこちらを期待して見てくるが、しかし......
「マタン?、ここは正規ギルドだ」
「はい」
「もしかしたら、闇ギルドの奴らが正規ギルドの存在を良くないと思ってるかもしれない、いや絶対思ってる」
「......はい」
「今回はハーゼの件と俺とガザムトラの因縁が結果的に闇ギルドを潰すことになったが、毎回潰すわけにはいかない、だからマタンが闇ギルドに――」
「要約すると、ここにいることで闇ギルドに目を付けられても今回のように守り切れるかわからないってことですよね?」
「......あぁそうだ」
メリーに先を言われてしまったがその通りだ。
「そうですよね......」
マタンが少し悲しそうな顔をする。そんな顔をされてもなぁ
「あっそうだ!」
メリーがなにやら思いついたようだ、嫌な予感。
「マスターがマタンちゃんを特訓して、自衛できるようにすればいいんですよ!」
「え......?」
「はぁっ!?」
メリーの発言にマタンは驚いたが、俺も驚いた。
「ねっ?マスターはそこらの雑魚なんか相手にならない強さですし」
「いやいや、強さとか関係ない!」
「ダントフさんに悪いです!」
俺とマタンはメリーの提案に異議を唱えるが......
「マタンちゃんが現状安全だという保障はありませんよ?」
「いや、ハーゼは【炎楽会】の一員でその【炎楽会】は潰した、そしてマタンは人質としてしか関わってない」
「そうですね、でもさっきマスターが言っていた通り私達が目障りになった際に使われるのはその人質ではないのですか?」
「......俺たちを潰すためにマタンが利用される可能性があると」
「その通りで~す!」
メリーには時々驚かされる、確かに【炎楽会】が潰されたことで、闇ギルドの中には俺たちの存在に気付く奴も現れるかもしれない、その時マタンを人質にしてくるかもしれない。
「......ガザムトラ......とんでもない置き土産を......」
ガザムトラがマタンをさらわなければ、闇ギルドはこのギルドを目障りに思っても、マタンには興味は無かっただろう。だがマタンはさらわれて俺たちは助けた、その事実はマタンが俺たちをおびき出すのに利用できる存在となっている可能性が生まれてしまっていた。
俺は深くどうすればいいか考えるが思いつかない。
「いっそマタンちゃんを特訓して私たちギルドの一員にしちゃえばいいんです!」
「僕どうすれば......」
「そう......だな」
「っ!それってもしかして.......」
結局何も思いつかず俺はメリーの案に乗ることにした。
「マタン、お前が良ければ......だが?」
「おっお願いします!」
「やったー!これで私達のギルドに3人目の仲間追加ですね!」
あぁ、全く特訓の仕方なんてわからねぇのに......、しょうがない、マタンがさらわれたのは俺とガザムトラの件が関係ないわけではないんだ、マタンも被害者だしな。
「まぁ、今日の所は帰りな、荷物は明日にでもここに運んできてくれ」
「あっここに住むのですか?」
「どっちでもいいが、特訓してるのバレるとなぁ」
マタンとの特訓が他の闇ギルドにバレるとまずい、さすがに目立つ。
「わかりました、僕明日の朝には荷物持ってきます!」
マタンにやる気が満ちてきているが顔を見てもわかる。
「僕急いで支度してきます!今日はありがとうございました!」
「おう」
「マタンちゃんまたねぇ」
マタンは走っていく時々後ろの俺たちを見ながら手を振って、俺は少し手を挙げる程度だが、メリーは手を振り続けた、マタンが見えなくなるまで。
マタンを見送った後、俺たちはギルドの中に入る。
「メリー?」
「なんです?」
「マタンの戦闘の才はどうなんだ?」
メリーは相手が何を得意なことを見破ることができる。
「う~ん、魔法も使えますが、剣士の方がいいです」
「なんで剣士の方が?魔法も便利だが」
「それはマスターの元で修行するなら剣士に決まってるからですよ~、魔法については私が少しは教える予定です」
「俺が剣士だから剣士にするってことか?」
「いえ、マタンちゃんは剣士にするべきという私の勘が働いただけで~す」
勘かよ......それに俺は剣士だから剣士になるだろうよ。
「とりあえず、俺は寝る」
「私も~」
俺たちは今日の激闘の疲れをいやすために眠ることにした。
【アースラ】ダスト支部 朝
「あっあの~!」
ドンドンッ!
もう朝か、全然休んだ気がしないな......
「ちょっと~ギルドが閉まってま~す!」
ドンドンドーンッ!
う~んうるさいなぁ、あ~そうだったマタンが来るんだったな。
俺は服を着替えると部屋を出ると、
「あっおはようで~す」
メリーの部屋のドアが開く、ちょうど起きたらしい。
「マタンがドアを叩きまくってる」
「ふあ~、そうですね行きましょう」
急いで1階に行き、出入り口のドアを開けると。
「きょ今日からお世話になりますマタン=ラスです!」
「あぁ」
マタンはかなり緊張した面持ちでいた、荷物は大きめのリュックのみだった。
「思ったより荷物が少ないな?まぁ帰れないわけでもないから平気だけど」
「えぇ、服など日用品しか持ってきてません」
「まぁ入って」
「マタンちゃんご案な~い」
前と同じように座ると、やはりマタンは緊張したままだった。
「緊張するなよマタン、特訓っていっても俺何も考えてないから」
「そっそれでも......」
「そうマスターの言う通り、せっかく仲間になったのに」
「そっそうでよね」
メリーにとっては何気ない一言だったが俺は感動していた、そうかダストの町、こんな最悪な町で仲間ができるなんて思いもよらなかった。一度決めたからにはマタンを特訓してなんとしてでも剣士にしよう。
「俺たちはマタンが帰った後話し合ったんだが、マタンを剣士にする気でいる」
「剣士ですか」
「マタンちゃんにはマスターが剣を私はまぁ少し魔法を教える予定」
「まぁ剣士がいやなら魔術師とかでも」
「いえ剣を教えていただけるなら!」
マタンはきっと嬉しいんだろうな、父である聖騎士に近づけるから。
「よし、じゃ早速――」
ドーンッ!
という出入口を激しく開ける音と共に――
「たっ助けてくれぇ!」
男がボロボロの状態で走り込んできた。
あぁ、きっと厄介な依頼だろうなと心に思いながらも、
「おい大丈夫か!メリーにマタン中へ」
「は~いマスター」
「っ!わかりました!」
俺はメリーとマタンと一緒に謎の男を運び、ベッドで横にさせる。
「一体どうしたんだ?」
「闇ギルド【黒の水】から追われてるんだぁ!」
あぁ今回も闇ギルドと対決することになりそうだ。
最低な国の最悪な町にギルド支部できました 村日星成 @muras
★で称える
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