荒神

一話

お前は、荒神だな。

なぜ、人間を殺している。














お前のような、そこらの石と変わらぬ者が…

儂に何を話している?














いや、お前のような位の高い者が。


人間達はお前を敬い、恐怖し、大きな社を建て、お前を奉っていた。

なのになぜ裏切る。













儂は元々人間だ。

人を恨み、いや、それをも凌駕する強心を持って災いを成す。


千年そうして、天災を起こしてきた。













だが、お前の天災はあまり人を殺していない。

なのになぜだ?


人間達は、お前の起こす天災を教訓としてきた。


お前のようなクソ神を祭り、神と一緒に酒を酌み交わす。

いい祭りをしてきた。


なぜだ?














そんな小さな事柄で、儂の怨みは消えぬ。














馬鹿め。

やはり人間か、小さい腹を今吹き出しやがって。


お前のような神がなぜ理解しない。














知らん。

全て殺す。














儂は、ただの道祖神。

行き交う人間達の道中を守る。

それだけだ。


だが、皆供えをしてくれる。


おにぎりを半分ずつ。

饅頭を半分ずつ。


最近は、ハンバーガー?など今の時代のうまいやつだ。


たまに酒も供えてくれる。



神なら、守るべきではないのか?



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