12・キスした事に比べたら、宝くじのことなんて!!

 逃げたくなってしまった私を無視して、汐里くんはディープなキスを続けてくれて、(ディープキスってよく分からないけど、時間が長いのでこんな感じなのだろうか)そして、私は生まれて初めてキスをしているのだった。しかも学年一のイケメンと言われている汐里くんと!! これは、とてもやばい状態なのではないだろうか。

 そして、初めて交わしたキスは現実的に言えば柔らかくて暖かくて、唇は思ったより弾力があった。それだけだったけれど、安心できるぬくもりがあって、このまま身を委ねてしまいたい気持ちになった。もしこのまま、汐里くんがわたしを抱こうとしたら。私は抗えないと思った。そんな経験なんて、もちろんないけど。


 やっと、汐里くんはキッス(昭和や・・)をやめてくれた。

汐里くんはどんな顔をしているか・・・。私は目が合わせる事ができなかった。

でも。

すごく嬉しかった・・・・。なんてこんな事思ったらまたブス!とか言われるかな。


 私は、宝くじが見つかった事なんて、頭からすっかり抜け落ちてしまった。

「えっと。」

汐里くんがやっと口を開いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る