第17話 刃物は流れる水のように
マキの武器庫は30m級の滝の裏側にあった。
シキ「なぜこんなところに?」
マキ「火事で親木が燃えたら大変だから」
生まれて初めて見る金属製の防火扉を開けて中に入る。
ドラゴンの化石油独特の匂いが漂ってきた。
マキが所々ろうそくに簡単に火を付けて進み、明るくなっていく。
天井を見ると通気口が開いていて風も感じる。
滝で水車を回し、換気扇等の動力を得ているらしい。
モグラ型動果物が忙しそうに足元を通り抜ける。
周辺の対大型動物用落とし穴とも地下で繋がるように穴を掘らせていた。
マキ「どれがいいかな」
マキは金属製の筒のようなものをクルクルと回し、シキに向けてみた。
シキはなんとなくその筒の直線状から移動した。
マキ「失礼した」
マキは次にナイフを手に取った。
マキ「刃物が、、いいんだろうな」
ナイフと言っても地球人サイズならナイフだが、
身長1メートル強の天球人にとっては刀である。
果物を切って見せる。
今まで石器のなまくらしか見たことが無いシキの目が驚いている。
シキ「すごいな」
マキ「金属の刃だ、石器とは切れ味も強度も違う」
そう言って説明を始める。
「これは両刃、どっち方向にも切れる」
「これはかたな、強度を増すために片方だけ刃がある」
「これはなぎなた、長い柄の先に刃がある」
「これはフルーレ、突きに特化していて曲がっても折れにくい」
シキは試しに両刃の剣を持って果物を『叩いた』
果物がグチャっと潰れる。
マキ「刃物というのは叩き付けて使う物じゃないんだ」
マキが果物に刃を当てて『引いた』
するとスパッと潰れずに切れる。
シキ「なるほど」
マキ「片刃のかたなは反り返ってるだろ、これも切る為の工夫だ」
シキ「おもしろいな」
マキ「斬りたければ滑らせる」
シキ「それでどれがオススメなんだ」
マキ「どれも一長一短だから、使ってみて自分で決めてくれ」
■
地球人マウが天球に来る数百年前。
この時からシキの剣術修行が始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます