第16話 何もない星

天球人は森でモグラ系動果物を飼育し、

対ドラゴン用落とし穴を掘らせている。


落とし穴の天井は細枝で作った床でカモフラージュされ、

大型動物以外が通っても床は抜けない。


穴の底には鋭くとがった杭が設置してあり、

杭の先端は「かえし」の加工がされてある。


杭に施された「かえし」を発明したのが科学者気質のマキだった。



ドラゴンと恐竜はどこが違うのか?


ドラゴンは骨格や爪、牙などに金属を含んでいる。

そして死体は数日で溶け始め、油田となる。


つまり地球では苦労して採掘する資源「石油と金属」が、

天球ではその辺を歩いている。


もちろん採掘しても見つかるだろう。

どちらの星の化石も同じだけの時を経ているのだから。



天球人は肉食動物ではない。

ゆえに大型動物を駆除しても食べることは無い。


代わりに土に埋めて養分とする。


ドラゴンの死体は金属や油になるのでむしろ毒素が多く、

養分には向いていない。

その為か、他の天球人達はドラゴンの死体に興味が無い。


科学者気質のマキだけは一人、何百年も研究していた。



マキ「ドラゴンを倒したい?」


シキ「そうだ」


マキ「落とし穴では駄目なのか?」


シキ「駄目だ、草原を自由に歩きたくはないか?

お前からもらった槍の穂先、

金属って奴は強い、があれではドラゴンを即死させられん

他に対ドラゴンに使える武器が欲しい」


マキ「武器ならいろいろあるが、では武器庫に案内しよう」

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