第15話 三つ子の魂、死ぬまで
「三つ子の魂百まで」と言うが、寿命が何百年もあったなら?
おそらく「百まで」ではなく「死ぬまで」と言いかえる事になるだろう。
長寿の天球人にも小さい時からの個性があった。
■
天球人のシキは武を極めたいと思っている。
地球に白いクジラや熊に挑む者が居るように。
恐竜やドラゴン狩りに人生を懸けていた。
ここに長寿を得て、なろう系主人公のような人生を歩む者が居たのだ。
■
天球には絶滅しなかった恐竜が存在する。
そして絶滅から逃れた事で、更に進化したドラゴンも存在する。
そんな過酷な自然環境で天球人は生きてきた。
天球人は長寿による経験の蓄積でそれぞれ個性が強く、自立している。
つまり群れは成さない。
その身長は地球人よりも低く、体重も軽く、弱い生き物ではあった。
とは言え天球人は恐竜やドラゴンの脅威をすでに克服している。
親木周辺の植林による強固な生活環境、
平地での牧畜による縄張り争いの誘導に成功している。
大型動物が闊歩出来ない強固な森の奥に住み、
小型動物を飼ったり狩ったりしていればよいのだ。
ドラゴン狩りなどシキだけの趣味でしかない。
大昔はシキの武術も重要だった。
小型動物でさえ脅威だったころは、大いに頼りにされていた。
しかし長寿な天球人は経験の蓄積でなんでもマスターし、
最後には自己解決してしまう。
今や皆、それぞれが豊かな生活を送り、それぞれの趣味に没頭している。
そんな天球人の中で唯一シキの協力者は、科学や武器に興味があるマキだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます