第15話 三つ子の魂、死ぬまで

「三つ子の魂百まで」と言うが、寿命が何百年もあったなら?

おそらく「百まで」ではなく「死ぬまで」と言いかえる事になるだろう。


長寿の天球人にも小さい時からの個性があった。



天球人のシキは武を極めたいと思っている。


地球に白いクジラや熊に挑む者が居るように。

恐竜やドラゴン狩りに人生を懸けていた。

ここに長寿を得て、なろう系主人公のような人生を歩む者が居たのだ。



天球には絶滅しなかった恐竜が存在する。

そして絶滅から逃れた事で、更に進化したドラゴンも存在する。

そんな過酷な自然環境で天球人は生きてきた。


天球人は長寿による経験の蓄積でそれぞれ個性が強く、自立している。

つまり群れは成さない。

その身長は地球人よりも低く、体重も軽く、弱い生き物ではあった。


とは言え天球人は恐竜やドラゴンの脅威をすでに克服している。


親木周辺の植林による強固な生活環境、

平地での牧畜による縄張り争いの誘導に成功している。

大型動物が闊歩出来ない強固な森の奥に住み、

小型動物を飼ったり狩ったりしていればよいのだ。

ドラゴン狩りなどシキだけの趣味でしかない。


大昔はシキの武術も重要だった。

小型動物でさえ脅威だったころは、大いに頼りにされていた。

しかし長寿な天球人は経験の蓄積でなんでもマスターし、

最後には自己解決してしまう。

今や皆、それぞれが豊かな生活を送り、それぞれの趣味に没頭している。


そんな天球人の中で唯一シキの協力者は、科学や武器に興味があるマキだった。

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