第13話 素直

地球から天球へ、二度目の無人探査機が飛び立つ。

今度はスピーカーとモニターが付いている。


だが有人探査はまだ行われない。

天球から帰還する目途、

つまり天球から宇宙船を打ち上げる位の技術が無い限り。


マウの元へ二機目の無人探査機が落ちてきた。



マウは地球にどう話すか悩んでいた。

天球ドラゴンを食べれば不老不死のスーパーマンになれる。

天球人も寿命が長く、食料問題もほぼ無い。


正直に話せばどうなるのか。


たぶんドラゴンの肉を欲しがるだろう。

絶滅の危機にならないか?


その肉を輸送するための宇宙船が来る。

互いの星のバイオハザードは?

環境破壊にならないか?


しかしそんな悩みに意味は無かった。

全人類が知ろうと必死になっている事を隠しておけるわけは無いのだ。


マウはモニターの前で正直に答えた。



無人探査機には宇宙公社月光のロゴがある。


戦争が起きるほど地球での世論は二分されたままでも、

月光はまだ開発を続けていた。


ステルス技術で非公開で打ち上げているのだ。

ある意味、だから50年もかかったと言える。


そして生中継は公開される。

新たな事実が新たな論争を呼んだ。


天球から不老不死の鍵を持ち替えるか否か。

だが反対する者が居て、殺し合いになってもいつかは手に入れようとする。


それが二重惑星の運命。

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