婚約破棄は心重

一ノ瀬 彩音

第1話 婚約破棄はきつい!

私は大学生でありながら、婚約している人がいるのですが、

お名前が五条司ゴジョウツカサといって、

御曹司です。


司さんは御曹司でしかもかっこよくて素敵な人なんですけど、

私は20歳で司さんが28歳なので、司さんは年上の男性です。


それだけならいいのですけれど、大学生と御曹司って

思いっきり身分違いなので私は困ります。


しかし、司さんはそれでも良いからという事で婚約しているのです。


私は司さんと婚約出来るというのならぜんぜん問題もないし、

むしろ、司さんの方が大変なんじゃないかなって思います。


私も司さんも互いに愛し合っているので心配していないというのが

事実です。


それでも不安はあります。


そんな時、司さんがご連絡があって司さんの家に行きますと、

司さんが出迎えてくれて家の中に入ります。


家の中に入ると司さんが客間に私をご案内してくれて

客間に入ると司さんがこう言ってくるのです。


「座って待っててくれ」


「はい」


私は客間にある高級な椅子に座ると、これいくら位するのかなって

考えてますけれど、今はそんな事どうでもいいですよね。


肝心の司さんは客間から出てしまって今は居ません。


私とのお話があると思うのに何処に行ったのかな。


しばらくすると司さんが戻ってきて司さんも高級な椅子に

座ります。


司さんは私に声をかけてくるのでした。


「早速だが、お話しようか」


「はい」


「俺と美佐子は婚約していると思うが、婚約破棄

したいと考えている」


「婚約破棄するという事でしょうか?」


「そうだ」


「私は反対します」


「婚約破棄を阻止するというのか?」


「はい」


「まぁ、それもいいが、婚約破棄はさせてもらうぞ」


「どうしてもするというのですか?」


「婚約破棄は必ずする」


私は婚約破棄という言葉を聞いておかしくなりそうです。


今もう既におかしいという感じでどうにかなりそうです。


「司さん~~~~~!」


「うおっ、何だいきなり」


「私は婚約破棄という言葉を聞いて心に重いダメージを

受けているの。それでも婚約破棄するというのなら

私は死にますっ!」


「いやいやっ、大袈裟だろ、死にますって」


「大袈裟ではありませんっ!」


「本気なのか?」


「はい」


私は大好きで愛している人と終わりを告げるなら、

私は死ぬという覚悟があります。


「まずいな、婚約破棄したいな」


「どうしますか?」


司さんの次の一手が楽しみです。


「そうだ、これにサインしてくれ」


「わかりました」


私は司さんに差し出された紙にサインして司さんに渡します。


「くっはっはっはっ」


「何が可笑しいの?」


「これで婚約破棄は成立だな」


「どういう事ですか?」


「今の紙は婚約破棄を成立させるための書類だよ」


「嘘でしょ、そんな…………」


私は何て言う事をしてしまったの。


これでは後戻り出来ないじゃない。


「司さん図ったのね」


「見事にかかってくれたな」


「つ~~~か~~~さ~~~さ~~~ん!」


「俺の勝ちだな」


「参りました」


私は司さんとの駆け引きに負けて婚約破棄されてしまった。


婚約破棄された私は心に重いダメージを受けているのです。


しかし、婚約破棄された以上は仕方ありません。


私は素直に婚約破棄を受け入れました。


そして、私の恋愛は終わりを告げるのと同時に

幸せも逃すとても残念な女性でした。

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婚約破棄は心重 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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