第11話 初めての毒と○○り

ダンジョンの攻略はサクサク進む。

なぜならナミが強すぎて4階までは敵が出てきた!

…と思ったら死んでいるという、ナメプ。


俺は何もせずに付いていってるだけだ。


ナミは倒した敵のアイテムを取ろうともしない。


「ナミ、アイテムは取らないのか?」


「え?こんな低層のアイテムいる?」


「さすがA級ナミ様。だが、冒険初心者の俺にとってはお金の足しにはなる。だからもらっていいか?」


「言い方…好きにすれば。」


俺はアイテム拾いに勤しみ、小銭を稼ぐのであった。


アイテムを拾っていると、

5階に着いた。


中ボス階だ。この階は中ボスの部屋しかない。


「この階のボスは?」


「たしか…ゴブリンファミリーよ。

どんなゴブリンが出るか分からないから気を付けてね。」


「了解。数が多いから俺も倒すのを手伝うわ。」


ゴブリンファミリーとは、ゴブリンナイトまたはゴブリンウィザードがトップとなり、8~10体が集団となって襲ってくる中ボスだ。


集団だからパーティーじゃないかって?


そうさ、最初はゴブリンパーティーって呼ばれてたんだ。


でも、ゴブリンシーフが小柄だったこと、

ゴブリンライダー(狼に乗ったゴブリン)がいること、

猪突猛進でこっちに向かってくること


そんなものが色々と噛み合って、


誰かが言ったんだ…


これ…家に入っていくサ○エさん一家みたいじゃね?


それから、パーティーじゃなくてファミリーと

呼ばれるようになったんだ。


まあ、そんなことは言いとして。


さて、行くか。 


5階の扉を開ける。


出てきたのはお母さん(ゴブリンウィザード)だな。


地面に杖を差し、『不動』を発動する。


「ナミ、お母さん宜しく。」


「はぁい。任された~。」


俺はそれ以外のゴブリンに魔法をぶっぱなす。


両手で魔法を放ちまくる。魔物に当たるだけではなくて、ナミに向かっていく魔物にも妨害目的で大量の魔法をばらまく。



ゴブリンウィザードも、ナミに向かって魔法を放つが、ナミは魔法を斬ってみせる。


さすがA級ナミ様。魅せるねぇ。


「サクッといくよ~。」


掛け声はチカラが抜けるが、

ゴブリンウィザードを真っ二つにしてる。

さすナミでーす。


俺も魔法をぶっぱなしただけで、楽に倒せた。


辺りに魔法の影響で砂ぼこりが舞っている。


しかし、まだクリアの案内が出ていない。


どこにいるんだ?


辺りを見ていると何かが飛んできた。


不動のせいで完全には避けれない。


首を曲げるが、頬をかする。


かすった途端に、身体中が痛みを感じる。


「がぁぁぁっ!」


不動のエリアから身体が出てしまう。


だが、それが気にならないほどに転げ回る。


「あちゃ~。シンゴ、それ毒くらってるよ。」


小柄のゴブリンを倒してナミが近寄ってくる。


これが毒にやられるってことか。


全身に痛みがあって戦闘とか出来ないぞ。


こんなに状態異常ってのは辛いのか。


「ナミ…頼む。」


ポーションとか、使ってくれ。


「は~い。あんまり動かないでね~。」


え?


ナミの剣が光りに当たって煌めき、


ズバッ!


俺を斬りつけた。


え?


『体力がなくなりました。』


何故?


痛みは何処かへと消え去った。


そして、俺の世界は暗くなった。






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