第19話
話し合う前から、確認は既にできていた。
互いに、現状はかなり悪いという判断を下していたのである。
具体的な状況を、エリザベスは確認のために言葉で述べた。
今いる場所は不明で、どこかの平原であるということだけである。
幸いにして魔物の姿は見えないが、すぐ後ろに魔物の巣窟としてポピュラーな森がある。
森から魔物が出てくることも十分に考えられるため、別の場所へ移動するのであれば、できるだけ早い内に移動する決断をした方が良い。
しかし移動するにしても、どの方向に進めば良いのか不明である、と七之上は相槌を打つ。
仮に、村落や町をすぐに見つけられたとしても、入れる保障はどこにもない。
身分証が必要になるだろうし、通行税を取られる可能性もある。
どちらも二人は持っていないだけでなく、七之上に至っては着る物すらない全裸である。
これでは人に接触を図ることすらできはしない。
食料も水もなく、拠点もなく、さらには甲斐性のかけらもない七之上という名のマスターを抱えることとなったエリザベスは、すぐに決断した。
「すぐそこにある森に入り、拠点を構築したいところですね」
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